無音の h・有音の h(むおんのアッシュ・ゆうおんのアッシュ)は、フランス語において単語の先頭に h 字が来る場合の区分で、前後の音に対するふるまいの違いから2種類に分類されるものである。 数世紀前までは、「無音の h」は無音(黙字)である一方「有音の h」は /h/ 音で発音されるものであったが、その後、音韻の変化があり、フランス語は /h/ を失った。現代フランス語では、「有音の h」は「無音の h 」同様それ自身は“無音”となり、ただ前後の音に対するふるまいの違いだけが残ることとなった。 こうした経緯からこれらの名称は、フランス語の初学者にとってはややわかりにくいものとなってしまっている。 この発音しないhはフランス語の造語法でもよく使われる。同形語(特にuとvが混用された時代において)を区別するために語頭にが追加される場合や、16世紀のトレマ導入以前に語中で母音字の連続を分断させ、