自由な選挙で選ばれた政権が必ずしも民主的とは限らないことは、2000年代以降、世界各地で立証されている。なぜ保守政権が発足する度に民主主義退行の懸念が高まっているのか、尹大統領は振り返ってほしい。度を越した警察の対応が来年の総選挙を狙った保守票の結集という政治的目的に沿ったものだとしても、『自由論』に心酔した大統領ならば少なくとも守るべき線は保つべきではなかろうか。 5月31日、全羅南道のポスコ光陽製鉄所前で高空籠城を行っていた韓国労総金属労連のキム・ジュンヨン事務処長を警察が制圧している。警察は抵抗するキム事務処長を長さ1メートルのプラスチック鎮圧棒で約1分間殴り続けた=韓国労働組合総連盟の動画よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社 ポスコ光陽製鉄所前で高空籠城(煙突や広告塔など高い所に立てこもって要求や訴えを叫ぶデモの一種)を行っていた韓国労総の幹部を、警察がこん棒で殴りながら鎮圧する場