>>「数字センス入門」は5回連載。目次はこちらから 採算悪化で、事業を撤退する会社が増えている。たとえば、昨年3月、三菱電機は携帯電話事業から撤退。今年、パイオニアは、来年3月までに薄型テレビ事業から完全撤退することを発表した。 弱い分野は早めに切り、経営資源をより強い分野に振り向ける。三菱電機は携帯電話からの撤退で営業損益が黒字に転換している(図11)。 撤退を判断する一つの材料として作成したいのが事業部門別損益計算書(P/L)だ。部門別P/Lは、文字通り部門の利益の構造を示す。会社全体の損益計算書が示す「売り上げ―コスト=利益」を個別に落とし込み、部門の売り上げから個別コスト(部門のコスト)と共通コスト(家賃、人件費)を引く(図10)。 無論、会社の数字は細かく落とし込むほど、厳しい現実を社員全員が目の当たりにすることになる。しかし、臭いモノにフタをしたまま、安易に不採算部門のカットを