パチンコ店でパチスロのメダルを盗もうとしたとして、窃盗未遂罪に問われた京都市中京区の男性被告(42)の判決公判が14日、京都地裁で開かれた。渡邉史朗裁判官は、被告がメダルをつかんだことを認めつつ、隣の客にとがめられ、つかんだままとどまっていたことを「犯行を躊躇していたとみる余地もある」として、無罪(求刑1年6月)を言い渡した。 被告は1月29日、中京区内のパチンコ店で、ほかの客が席を外したすきにメダルをわしづかみにして盗もうとしたが、目的を達せなかったとして起訴された。被告は公判の罪状認否の段階で、つかんだこと自体を否認していた。 判決で渡邉裁判官は、当時の状況について「被告がメダルを盗もうと決意していたとまで推認するには合理的な疑いが残る」と判断。言い渡し後、「あなたの話を信用したわけではない。グレーゾーンだと思うがクロと言えず無罪。疑われるような軽率な行動はしないで」と説諭した。