日本の東北沿岸部は昨年3月11日に襲いかかってきた津波から懸命に立ち直ろうとしているが、陸前高田市の中心部だった荒地に立っていると、この地域が直面している課題の大きさが分かる。 地域の活動を妨げていた瓦礫の絨毯はほとんど片付けられ、道路には車や人の往来が戻っているものの、それを除けば、この場所はまだ世紀末後のようだ。 辺り一帯の木造住宅は姿を消し、基礎だけが残っている。コンクリートビルの残骸は空っぽで、入り口には、津波に襲われた時に中で亡くなった人たちのために仮設の祭壇が置かれている。 同じような光景は、津波にのまれた数百キロに及ぶ沿岸部のあちこちで見られる。2万人近い人が亡くなったか行方不明になっている喪失の風景だ。そして、こうした光景が、日本が経験した80年間で最悪の自然災害からの復興ペースに対する不満を煽っている。 ようやく出発点に立った被災地 それでも、陸前高田の被災地から内陸に行