「見た目は女性、声はおっさん」。自らをそう紹介する新顔候補が、1月に投開票された京都府亀岡市議選でトップ当選を果たした。性別適合手術を受け、戸籍を男性から女性に変えた赤坂マリアさん(48)。LGBTの権利や性的少数者であることを選挙戦で強調したわけではない。何が有権者を引きつけたのか。 「亀岡を面白い方向に変えてくれるんじゃないか。そんな期待を感じました」。赤坂さんは選挙戦を振り返る。 7日間、自転車で市内をくまなく回り、その距離は約400キロに達した。政治の世界には初の挑戦だったが、沿道では小学生にも「マリアが来たぞ!」と言われるほど浸透。開票結果は2270票と、2位の候補に450票以上の差をつける圧倒的な勝利だった。 出身は大阪府高槻市。小学校時代からゴム跳びが好きで、男の子が熱中する野球は大嫌いだった。バンドをやっていた高校時代は女子生徒の人気を集めたが、自分が同級生の男子に憧れてい