地面はもちろん線路も走れる、見た目はほぼ戦車の「九五式装甲軌道車」は、なぜ作られたのでしょうか。鉄道の重要性が現代よりはるかに高かった昭和初期の、“撮影禁止の秘密兵器”だったそうですが、当時の写真もあります。 鉄道をめぐる攻防の切り札 戦場を走り回る車両といえば戦車や装甲車、トラックやジープが中心ですが、レールの上を走る鉄道車両も多く戦場で使われています。鉄道は大量の人や物資を一挙に運べ、軍用としても価値が高いため、敵にねらわれやすく戦闘の焦点にもなり、線路をめぐる戦いは多くの戦争映画にも描かれています。 拡大画像 ロシアのクビンカ戦車博物館に展示されている九五式装甲軌道車。塗装はオリジナルとは違うが、よく手入れされた状態である(画像:月刊PANZER編集部)。 味方の線路を守るため、戦闘用に装甲列車、装甲軌道車というものが存在します。貨車やモーターカー(かんたんにいえば小型の鉄道車両)を