
西川善司の3DGE:「ストリートファイターV」にまつわる遅延の謎を,遅延計測システムを使って検証してみた ライター:西川善司 コアゲーマーなら,誰もが一度は意識したことがあるに違いない“遅延”の問題。ただ,この遅延というキーワード,人によって「イメージしている現象」が違っていて,テーマとして語り合うにはなかなか難しい話題だったりする。 例えば,ゲーマー同士の会話でしばしば耳にする「液晶って遅延が大きいよね」というフレーズ。これは「(入力/表示)遅延」と「応答速度」を曖昧に解釈した発言と思われる。まあそこは大目にみて“一緒くた”にするのを許容したとしても,昨今の事情を鑑みればやはり正しいとは言い難い。 少なくともゲーム用途を謳うディスプレイに搭載されている液晶パネルなら応答速度はひと桁msだし,遅延も同じく数msだ。むしろ低遅延なイメージがある有機ELパネルのほうが,焼き付き防止や倍速駆動と
西川善司の3DGE:Mark Cerny氏のPS5技術解説プレゼンテーションを読み解く(前編)。ここまで分かったPS5のSSDとGPUの詳細 ライター:西川善司 PlayStation 4に続いて,PlayStation 5でもリードシステムアーキテクトを務めるMark Cerny氏 2020年3月19日,ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下,SIE)は,次世代ゲーム機「PlayStation 5」(以下,PS5)のハードウェアに関する詳細を動画にて明らかにした(関連記事)。プレゼンターを務めたのは,PS5のリードシステムアーキテクトであるMark Cerny氏だ。 Cerny氏は,「LISTENING TO DEVELOPERS」(ゲーム開発者の意見を反映した新要素),「BALANCING EVOULTION & REVOLUTION」(進化と革命をバランスした仕様),「FI
【西川善司】鍵は「磁性流体」にあり? 西川善司,「PS5」のゲームパッドを予想してみる ライター:西川善司 西川善司 / グラフィックス技術と大画面と赤い車を愛するジャーナリスト (善)後不覚blog:http://www.z-z-z.jp/blog/ 久々となるボクの連載ですが,今回は,大胆にも次世代のPlayStation「PlayStation 5」(以下,PS5)に付属するゲームパッド(コントローラ)がどのようなものになるのか,予想してみたいと思います。 PS5の新ゲームパッドはハプティック技術とアダプティブトリガーを採用 2019年の4月から,ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下,SIE)は,PS5に関する情報を小出しにしてきました(関連記事)。 2019年10月8日にSIEは,それまでは次世代PlayStationと呼ばれていた次期ゲーム機がPS5という名称に決まっ
西川善司の3DGE:赤と緑のケンカ再び。NVIDIAが「Navi」の特徴や「Radeon Software」の新機能に反論する ライター:西川善司 E3 2019において,プロセッサメーカーとしてはAMDの存在感が際立っていた。E3会場にあるのは非公開のミーティングルームのみで,巨大なブースを構えていたわけでもないのに多くのゲームファンから注目を集めたのは,新世代CPUである「Ryzen 3000」シリーズと,新世代GPUの「Radeon RX 5700」シリーズを発表したためであろう。 しかも,これらの新CPUと新GPUは,ソニーの次世代ゲーム機と,Microsoftの次世代ゲーム機「Project Scarlett」に深く関わるものなのだから,注目を集めるのも当然だ。 Tony Tamasi氏(Senior Vice President of Content and Technolog
西川善司の3DGE:無茶を承知で「PS5」の姿を予想してみる。CPUは大幅に性能向上するがレイトレ対応GPUはダイサイズが問題に ライター:西川善司 「PlayStation 4」(以下,PS4)が正式発表となった直後である2013年2月に,筆者は,後に「PlayStation 4 Pro」(以下,PS4 Pro)と呼ばれることになる性能向上版PS4の登場を予想する記事を書いた。 実のところあの記事は,掲載後には相当な物議を呼んだと聞くが,無理もない。後々聞いた話では,「誰かが西川善司にPS4 Proの計画をもらしたのか?」と,当時のSony Computer Entertainment(以下 SCE,現Sony Interactive Entertainment)の内部では犯人捜しがあったとか(笑)。 PS4とXbox OneがともにAMD製のカスタムAPUを採用し,AMDが継続的にAP
第3世代Ryzenの16コアモデルは出るの? Radeonはレイトレに対応するの? AMDのキーパーソンに聞く ライター:西川善司 CES 2019で基調講演に立ったAMDのLisa Su(リサ・スー)社長兼CEOは,実に多くのことを発表した。その内容は考察も含めて筆者の連載記事にまとめたが,その後,CES 2019の会期最終日になって,AMDの各ジャンル担当者に対してグループインタビューを行う機会が得られたので,本稿ではその内容をまとめてお伝えしてみたいと思う。 関連記事 西川善司の3DGE:CPUは安泰で期待大と確信が持てたAMDのCES 2019基調講演。GPUは? AMDがCES 2019で基調講演に立ち,7nmプロセス世代で大攻勢をかける姿勢を明確にした。とくに期待大なのはCPUパッケージと動作デモが明らかになった第3世代Ryzenだが,では,GPUはどうなるだろう? 連載「西川
西川善司の3DGE:CPUは安泰で期待大と確信が持てたAMDのCES 2019基調講演。GPUは? ライター:西川善司 AMDがラスベガスのセンターステージに戻ってきた。 CES 2019の会期2日めとなる北米時間1月9日,2002年のComdex以来となる「ラスベガスにおけるAMDの基調講演」があったのだ。2002年は当時のHector Ruiz(ヘクター・ルイズ)CEOが登壇したが,今年のプレゼンターはもちろん,社長兼CEOのLisa Su(リサ・スー)博士である。 いまや「AMDの顔」がすっかり板に付いたSu氏。袖を切り落とした黒い革ジャン姿は,競合する“あの人”へのメッセージなのか? Su氏は基調講演で,大小さまざまなトピックを語ったのだが,とくに重要なものを挙げると,以下の7つになるかと思う。 第2世代Ryzen Mobile APUを2019年第1四半期にリリース すべてのRa
西川善司の3DGE:GeForce RTX 20はレイトレを使わなくてもGTX 10世代より2倍以上速い? 突然出てきた追加情報を考察する ライター:西川善司 gamescom 2018に合わせて新世代GPUシリーズであるGeForce RTX 20を発表したNVIDIAが,22日になって追加情報を3つ開示した。具体的には, DLSSのアンチエイリアシングを使うとGeForce RTX 20の性能はすごいですよ DLSSを活用すれば4K&HDR/60fpsのゲームプレイが余裕ですよ AnselがGeForce RTX 20シリーズに対応しますよ というものだ。 非常に限定的な内容なのだが,今回は,これらの情報開示が何を意味するのかを考察してみたいと思う。 追加情報(1)DLSSのアンチエイリアシングを使うとGeForce RTX 20の性能はすごいですよ 8月23日掲載の記事でもお伝えした
西川善司の3DGE:GeForce RTX 20なぜなに相談室(gamescom 2018版) ライター:西川善司 リアルタイムレイトレーシング専用の「RT Core」を採用した世界初のGPUアーキテクチャ「Turing」(テューリング)。それを採用する新世代GPUたるGeForce RTX 20シリーズがついに発表となった。 GeForce RTXシリーズのラインナップや現時点で判明しているスペックといった基本的な話は速報記事,「そもそもRT Coreって何?」といった技術的な側面については筆者の連載バックナンバーを参照してもらうとして,今回は,GeForce RTXシリーズについて現時点(※ドイツ時間2018年8月21日時点)で判明している情報から考察した内容を,「想定問答集」的にまとめてみることとしたい。 なお,本稿では「GeForce RTX 2080 Ti」「GeForce RT
西川善司の3DGE:新世代GPU「Turing」のリアルタイムレイトレーシングは「本物」なのか? その正体に迫る ライター:西川善司 既報のとおり,北米時間2018年8月13日,NVIDIAは,カナダ・バンクーバーで行われているコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術の学会であるSIGGRAPH 2018に合わせ,新世代GPUコア「Turing」(テューリング)と,Turing世代初にして「史上初のレイトレーシングGPU」という位置づけのQuadro RTXを発表した。 Quadro RTXグラフィックスカード 本稿執筆時点で,Turingのアーキテクチャ面に関する詳細は明らかになっていない。つまり,NVIDIAのイベントで明らかになった以上の情報はないわけだが,それでも「Turing世代で何ができるようになるのか」はやはり気になるところだ。 今回は,現時点における公開情報を基に,
西川善司の3DGE:SIEとMS,テレビ業界を巻き込んで「ゲームグラフィックス向けHDR表示環境」の改善に乗り出す ライター:西川善司 CGとインタラクティブ技術の学会であるSIGGRAPH 2018のタイミングで,Sony Interactive Entertainment(以下SIE)とMicrosoftは,LG ElectronicsおよびVIZIOも参加する業界団体であるHDR Gaming Interest Group(以下,HGIG)名義で,ゲームグラフィックス向けのHDR(High Dynamic Range,ハイダイナミックレンジ)出力ガイドラインを提唱した。 より良いHDRゲームプレイ体験のために,HGIGはガイドラインを提唱する 興味深いのは,現状のHGIGがゲームプラットフォーマー2社とテレビメーカー2社――LG ElectronicsはPC用ディスプレイメーカーでも
[CES 2018]西川善司の3DGE:CES 2018でAMDは何を発表したのか ライター:西川善司 CES 2018の開催に合わせてAMDは,2018年にリリース予定の新製品を予告した。その概要はすでにお伝え済みだが,本稿ではより詳しく,「AMDは具体的に何を発表し,どんな製品を出すと言ったのか」をまとめてみたいと思う。 Radeon Vega Mobileを掲げる,AMDのLisa Su(リサ・スー)社長兼CEO というわけで,速報記事も踏まえつつ最初に結論めいたものをお伝えしておくと,今回,AMDが予告したこととしなかったことは以下のとおりだ。 ●デスクトップPC向け第2世代Ryzen 12nmプロセス技術と「Zen+」マイクロアーキテクチャを採用して2018年4月リリース シリーズ名は「Ryzen Desktop 2000」に。「Ryzen 2」にはならない 具体的な製品ラインナ
西川善司の「試験に出るゲームグラフィックス」(7)「人喰いの大鷲トリコ」の「リアルとアートの狭間」はこうして生まれた,前編 ライター:西川善司 記憶に残る独創的なゲームデザインが特徴的なゲームクリエイター,上田文人(うえだふみと)氏の作品は,日本国内以上に,海外での評価がとても高い。なにしろ前作「ワンダと巨像」と前々作「ICO」の両方が,米タイム誌が2012年に発表した「All-TIME 100 Video Games」(歴史上最も偉大なビデオゲーム100本)に選出されたほどなのだ(関連リンク)。 それだけに,当然のことながら,最新作「人喰いの大鷲トリコ」も,相当な期待感をもって,世界中から発売が待ち望まれ続けていた。 最終的な国内発売日は2016年12月6日だったが,振り返ってみれば,2009年の制作発表から7年である。本作の初期プロトタイピングが行われたのは2005年頃というから,ここ
[GTC 2017]西川善司のNVIDIA新社屋「Endeavor」見学記。GPUメーカーが建物に込めた“ポリゴン愛”を味わう ライター:西川善司 NVIDIA主催のGPU技術カンファレンス「GPU Technology Conference」(以下,GTC)が,今年も北米時間5月8〜11日の会期で始まった。会場はカリフォルニア州サンノゼ市のSan Jose McEnery Convention Centerだ。 さて,その会期初日となる5月8日には,世界中から集まった報道陣を対象に,NVIDIAが建築中の新社屋,その名も「Endeavor」(エンデヴァー)の中を見学できるツアーがあった。2017年のGTCレポート第1弾は,このツアーの内容となる。 Endeavor(とノリノリの筆者)。ただの建築途上にあるビルと早合点することなかれ。さすがはGPUメーカーのNVIDIAだけあって,ビルの至
前回は、任天堂Switch発売後の海外報道をまとめた内容ですが、今回は、実際に実機をプレイしてみた感想を、動画を交えてお届けしようと思います。 前回「任天堂Switch本体についての海外報道編」はこちら 今作のゼルダの時系列はどこ? 3月3日、ボクが購入した「Nintendo Switch」は、赤青コントローラが付属するバージョンです。 本体と同時に「Nintendo Switch Proコントローラー」(以下、プロコン)や画面保護シート、HORI製のキャリングケースもほぼ同時に購入しました。 ソフトは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、BotW)、『スーパーボンバーマンR』を同時購入しました。 その他『いっしょにチョキッとスニッパーズ』をダウンロード購入しています。 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(定価6,980円、税別) 『スーパーボンバーマン R』(定価
西川善司の3DGE:「Project Scorpio」はどこへ行くのか ライター:西川善司 EurogamerやGamesIndustry.bizを展開するGamer Networkによる「技術分析系ビデオサービス」とでも言うべきDigital Foundryは,Microsoftへの単独取材に成功したそうで,高性能版Xbox Oneである「Project Scorpio」(開発コードネーム,以下 Scorpio)のスペック情報をYouTubeで伝えている。 それが下に貼りつけたムービーだ。淡々とスペック情報を伝えるものなので,英語に堪能でなくとも,おおまかな内容は掴めるのではないかと思う。4Gamerではこのムービーを基にした速報もすでにお伝えしているが,今回は,Digital Foundryが明らかにした情報を踏まえ,E3 2016の,Project Scorpioがリリースされた時点
【西川善司】「Splatoon2」先行試射会体験記 ライター:西川善司 西川善司 / グラフィックス技術と大画面と赤い車を愛するジャーナリスト (善)後不覚blog:http://www.z-z-z.jp/blog/ 去る2017年3月25日と26日に,「Splatoon2」の先行試射会が行われました。 全世界同時開催になるため,日本からすると非常に早い時間帯も含まれており,各日4:00,12:00,20:00から1時間ずつ,つまり,合計6回,6時間だけの限定体験会となっていました。 ボクも,最初から,TVの前に正座状態で待ち望み,プレイに参加してきました。 先行試射会の待ち画面 指定時間外はまったくプレイできないほか,プレイ途中で終了時間が来ると強制切断という仕様だった 初プレイ時はチュートリアルが体験できる 開催が週末ということもあって,回線の混雑や,つながりにくさも心配していたのです
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