マンガの装丁をはじめ、最近は個性的なデザイン書体を使った制作物を目にする機会が増えている。 ただし、こうした書体は使いどころを間違えばデザインの調和を乱すだけの結果になりかねない。 プロのデザイナーはどのようにそれらのフォントの魅力を引き出しているのか。 数多くのマンガのカバーデザインを手がけるアフターグロウの寺田鷹樹さんに、書体の選び方や使い方を伺った。 正統派少女マンガからスタイリッシュな青年マンガ、サブカル系まで幅広いジャンルを手がける寺田さんの場合、タイトルに使うフォントの方向性は表紙カバーのイラストを見た瞬間に決めてしまうことが多いそうだ。 「方向性を決めたら、全体のデザインをイメージしつつ、使う書体の候補をいくつか絞り込みます。そして“この書体とこの書体を組み合わせてみよう”とか、“この部分は作字しよう”など細かい部分を詰めていきます」 もっとも一口に書体を決めると言っても、さ