この話は古代の寓話集には見えないが、ラテン語で書かれた中世のアデマール集あるいはロムルス集と呼ばれる写本に載せられている[3]。 日本ではキリシタン版『エソポのハブラス』第19話に「鳥と、けだものの事」[4]、江戸初期の『伊曽保物語』中巻第33話に「鳥けだものと戦ひの事」[5]として収録されている。明治時代の渡部温訳『通俗伊蘇普物語』では第86「鳥と獣との戦の話」とされている[6]。 昔、地上の動物達は皆仲良しだったが、ある時から獣と鳥に分かれ、どちらが強いかで戦いになった。身体が小さい鳥はいつも劣勢で、その様子を見ていたずる賢い一羽のコウモリは、獣が有利になると獣たちの前に姿を現し、「私は全身に毛が生えているから、獣の仲間です」と言った。そして、鳥が有利になると鳥たちの前に姿を現し、「私は羽があるから、鳥の仲間です」と言った。 その後、鳥と獣が和解し戦争が終結する日がやってくる。しかし幾