「組織的な犯罪の共謀罪」を設ける法案に関連して、最近、一部で「国際組織犯罪防止条約の交渉過程で、我が国政府が『すべての重大な犯罪の共謀を犯罪とすることは、我が国の法的原則と相容れない』と発言していた。」との指摘があります。 この点については、これまでの条約及び法案についての国会審議においても、与野党の議員の質問に対して詳しく答弁されていますが(議事録抜粋【PDF】を参照)、その経緯は以下のとおりです。 1 現在の条約第5条についての条約交渉当初の案文では、共謀罪については「重大な犯罪を行うことを合意すること」、参加罪については「組織的な犯罪集団の犯罪活動又はその他の活動に参加する行為」とされていました。この段階では、未だ共謀罪の対象となる「重大な犯罪」の範囲が定まっていませんでしたし、また、共謀罪について、現在のように「組織的な犯罪集団の関与するもの」という要件を付することも認められてい