東日本大震災以来、アーカイブズ・文化財保護の現場は、新たな課題に直面している。 災害により失われた人と人のつながりをどう再構築するか。有形の文化遺産を災害からどう守るか。被災した紙資料をいかに復旧し保護するか。 歴史学・民俗学・言語学・アーカイブズ学などの諸分野が結集し、文化資源保全と地域文化復興の方途を探る。 はじめに 木部暢子 津波を超えて闇から光へ 山浦玄嗣 昭和三陸津波後の集落にみるコンパクトな復興 岡村健太郎 ミュージアム展示における<被災者>像,<復興>像の検討 寺田匡宏 多言語社会における災害時緊急マニュアル 金愛蘭 生活文化の記憶を取り戻す―文化財レスキューの現場から 日髙真吾 生を目指す復興―被災地の信仰と芸能を通して 林勲男 文化財レスキューを展示する―文化財レスキュー活動を通した地域の多元的ネットワークと博物館 葉山茂 被災した場とモノから考える―気仙沼市・三浦家の事