家屋が倒壊した現場を視察する安倍晋三首相(中央)=熊本県益城町で2016年4月23日午後2時7分、山崎一輝撮影 「最大震度7の地震発生」の一報を安倍晋三首相が受けたのは、4月14日夜に会食をしていた東京・渋谷のフランス料理店でのことだった。その10分後の午後9時36分、首相は電話で「政府一丸となって災害応急対策に全力で取り組むこと」など3点を官邸に指示。同54分には官邸内の危機管理センターに入り閣僚や関係省庁幹部を指揮した。 2012年に発足した第2次安倍政権は、火山噴火や豪雨などの自然災害に加え、アルジェリアの日本人人質事件など多くの危機管理事案を経験し、危機管理の成否が政権に与える影響を身に染みて分かっていた。首相は連日の本部会議で支援部隊の人数など具体的な数字を挙げ、「迅速」「先手」と繰り返した。だが、16日に2度目の最大震度7の本震が「想定外」に発生し被害が拡大すると、政府対応にほ