中学生のとき、学校の宿題で国務長官が誰かを調べなければならないときがあった。今なら「ググる」だけですぐに解決するが、その当時はもう少し努力する必要があった。 筆者の継父は、ことあるごとに何かを教えたがる人だった。このときも、図書館に電話して司書に質問してみれば、国務長官が誰か答えてくれるだろうと教えてくれた。そう言いながら、継父は声に出さずに答えを口にしていたので、その唇を読み取って「Warren Christopher」だと分かった。だが、そのうえでなお図書館に電話をかけさせられ、筆者は人生に必要な貴重なスキルを身につけているのだと思った。 遠からず、図書館司書の役割は生成人工知能(AI)が、具体的にいうと生成AIを利用した検索が担うようになるかもしれない。大手IT企業から全面的な注目を集めているAIの分野である。 検索エンジン大手のGoogleも、「ChatGPT」の開発元であるOpe