「最終的には、人間の『無意識』をハックすることを目指したいですね」。 ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」の元開発リーダーで、現在はGROOVE X 代表取締役の林要氏から聞いた言葉に、記者はハッとした。というのは、「役に立たないAI」の本質を表すのに、これほどいい言葉はないな、と思ったからだ。 GROOVE Xは、「人を癒やすロボット」の開発を目指すスタートアップ企業だ。2019年の製品化を目指す新開発のロボットは、しぐさ、光、温度など、「非言語のコミュニケーション」で人の心を癒やすことにこだわる。デザインは「人型ではなく、何かの動物に似せる気もない」(林氏)。高齢者や病院患者向けのアザラシ型癒やしロボット「パロ」と方向性は似ているが、「より幅広いユーザーに受け入れられるものになる」(林氏)という。Pepperの場合は、会話などの「言語」と、しぐさなどの「非言語」の両建てだったので