「今も子供のことは毎日考えています。忘れたことなんてないですよ。血縁関係だけで親子関係を決めるなんておかしい」。DNA型鑑定結果などを理由に、1、2審で娘との父子関係を取り消された北海道の40代の男性は、「わが子」への変わらぬ愛情を胸に、最高裁の判決を待つ。 おしゃぶりを口にして振り向く姿、あどけない寝顔、食事をほおばる姿…。男性の手元には、娘の誕生や成長を記録した写真が大切に保管されている。 平成21年に娘を授かったが、出産直後の妻が泣きながら言った言葉は「ごめんなさい」。父親が自分ではないことを告げられた。ショックだったが、子供の顔を見るとすぐに愛情が芽生えた。自分の子として育てることに迷いはなかった。 子供の命名や出生届の提出など、慌ただしくも幸せな日々が過ぎていった。早く顔を見たい一心で、仕事に励んだ。帰宅した男性を見つけると、娘は「わーっ」と声をあげて駆け寄ってきたという。