「こんなはずじゃなかった・・・」 高須賀家はこのままでは離婚の危機に直面する。終わりない喧嘩の日々を通して僕はそう実感した。 妻とは付き合っている時は一度も喧嘩をしたことがない、極めて良好な関係であった。よく友達の惚れた腫れたの痴話喧嘩話を聞く度に、うちはそういうの無縁だろうなーと漠然と思っていた。僕は妻と付き合っている時、彼女のどんな下らない愚痴も全て耳を傾けて黙って聞けたし、厳しい事なんて一度も言ったことがなかった。夫婦喧嘩なんて単語はうちとは無縁だろう。結婚するまではそう思っていた。 それがどうした事だろう。結婚してひとつ屋根の下で暮らすようになってから、妻の行動一つ一つが非常に腹が立つのである。帰ってきてずっとスマホをいじっているその姿をみると「遊んでないで勉強しなよ」と言いたくなってしまうし、非効率な家事管理を強要されたりすると「いやそれ意味ないよね?」とこちらの方法を採用するこ