東京都足立区は、ごみをため込んで近所に迷惑をかける「ごみ屋敷」について、専門組織を設置した2012年度から今年8月末までに104件の家屋でごみを撤去させるなど、ごみ屋敷を解消した。 同期間に通報を受けたのは167件で、解決率は6割に達した。いずれも行政代執行などの強制措置を行わずに解決しており、区は「地域住民に安心してもらえるよう、今後も解決に取り組む」と話す。 区は13年1月、他自治体に先駆けて「足立区生活環境の保全に関する条例」(通称・ごみ屋敷対策事業)を施行。指導に従わない悪質なケースは個人名を公表するとした一方、家主の生活支援を行うなど「アメとムチ」を併用した包括的な対策を進めてきた。 都内では、葛飾区と品川区で空き家やごみ屋敷の撤去について、空家対策特別措置法に基づく行政代執行が行われている。足立区は、いずれも行政指導の段階で、ごみの撤去や樹木の伐採が済んでおり、強制的措置は1件