◇「解放60年」当局は発展アピール/武装警察巡回、緊張感漂い 祈りをささげるチベット族住民の近くで警戒に当たる迷彩服姿の武装警察。丹羽宇一郎駐中国大使の視察に同行して8月に訪れた中国チベット自治区ラサは、08年3月の大規模暴動から3年余りが過ぎた今も緊張感を漂わせていた。漢族化の流れも加速しており、チベット文化をどう尊重していくかが問われている。【ラサで成沢健一】 ラサ市中心部に入ると、街のあちこちに赤い横断幕が掲げられていた。中国軍の進駐とチベット側との協定締結による1951年の「解放」から60年となるのを記念するものだ。歴代ダライ・ラマの居城だったポタラ宮前には、習近平国家副主席が出席して7月に開かれた式典に合わせて設置された大がかりな飾りが、そのまま残されていた。 中国政府はチベット問題を核心的利益の一つと位置づけている。次期最高指導者に内定している習氏は式典で「安定と祖国の統一を破