外山のファシズム転向直後のいわば“初期論文”であり、文中登場する首相は小泉純一郎、米大統領はブッシュ・ジュニアだったりするが、現在が引き続き、95年のオウム事件あるいは01年の米同時多発テロに根本的に規定された“世界内戦”の時代である以上、時に例えば菅直人政権やオバマ政権などの一見“リベラル”な政権が成立することがあろうとも、状況は根本的にまったく変わらない。 戦争が、始まっている。 この戦争を、ブッシュやラムズフェルドといった人たちは、「まったく新しい戦争」と呼んでいる。 「まったく新しい戦争」は、どこがどのように「まったく新しい」のか? 9・11直後、アメリカのアフガン攻撃の最中に書かれた『文明の内なる衝突』で、大澤真幸は次のように分析している。 (アメリカのテロリストへの、あるいはタリバンへの反撃は、そもそも戦争と呼べるのか否か、ということが盛んに議論されたが)戦争なのか、それとも戦