「このまま挟撃ができれば一番よかったのだが、ギーベ騎士団がもたぬ。中央突破したら、まずエーレンフェストの騎士達に癒しを頼む」 「はい」 ギーベ騎士団に援軍があることをオルドナンツで知らせたところ、すでに領主一族から連絡をもらっていたらしい。援軍が到着するまで何とか、と自分達を奮い立たせている現状で、一刻も早く合流する必要があるそうだ。 「私は先頭に立つ。ローゼマインとハンネローレ様は決して速度を落とさぬように、周囲の騎士に異変があろうとも敵陣を突破するまで止まらないようにお願いします」 フェルディナンドが自分の護衛騎士を連れて先頭を駆ける。主戦場へ向けて騎獣で移動しながら、わたしとハンネローレを中心にダンケルフェルガーの騎士達が集まり始めた。中央突破に向けた隊形が取られているようで、自分の護衛騎士が間近にいるけれど、どこを向いても青いマントの騎士がいる状態だ。もうわたしの位置からはフェルデ