2022年公開の映画『夜明けまでバス停で』は、東京・渋谷区のバス停でホームレスの女性が殺害された事件を描き、その年の映画賞でも多数の受賞を果たした。脚本を担当した梶原阿貴も、第96回キネマ旬報ベスト・テンの脚本賞などに輝き、日本映画界を代表する脚本家と認識されるようになる。 そんな梶原が、これまで明かせなかった「ある事実」を今こそ、世の中に伝えなくては……と決意した。 高評価された作品で、唐突に現れた“爆弾作り”の男『夜明けまでバス停で』には、主人公の三知子が、ホームレスの集まる公園で“バクダン”と呼ばれる男性に出会い、彼がかつて関わった闘争について聞かされ、爆弾作りを手伝うエピソードがあった。これは映画を観た人の一部を戸惑わせることにもなる。『夜明けまでバス停で』自体は高評価しつつ、「あのエピソードは必要だったのか?」という違和感を発露する人もいたのだ。確かに、やや唐突な盛り込まれ方では
