はじめに 物価は「蚊柱」である 多は異なり 参考文献 はじめに 物価は「蚊柱」である 蚊柱ってなんだ?夏の水辺などでよく遭遇する、たくさんの蚊が集まって黒々とした柱のようになった群れのことです。 物価とは蚊柱である-これが「物価とは何か」という問いに対する、著者の最初の答えです。 商品の群れを全体として見たときにも、右に左に、上へ下へと、急速度で移動する状態が、インフレやデフレです。 物価が安定しているとはどういうことでしょうか? 個々の価格は忙しく動きまわるけれど全体としてみると安定している、というのが健全な姿です。ただ、同じ「全体が動かない」場合でも、個々の価格がまったく動かず、その当然の帰結として全体も動かないということもあり得ますが、それは病的だと言えるでしょう。後で詳しく述べますが、今の日本経済はこれに近い状態だと著者はみています。 多は異なり 蚊柱のたとえは、単にわかりやすいお
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