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  • 骨女 ~鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    なんだか骨女に興味を持たれた方が多かったので、kihiminhamame.hatenablog.com 今回は鳥山石燕《とりやませきえん》『今昔画図続百鬼《こんじゃくがずぞくひゃっき》』[安永八(一七七九)年刊]から「骨女」をヾ(๑╹◡╹)ノ" 今昔画図続百鬼 - Wikipedia 【原文(翻刻)】 骨女《ほねおんな》 これハ御伽《おとぎ》ばうこに見えたる年ふる女の骸骨《がいこつ》牡丹《ぼたん》の燈籠《とうらう》を 携《たづさ》へ人間《にんげん》の交《まじハり》をなせし形《かたち》にしてもとハ剪燈新話《ゼんとうしんわ》のうちに 牡丹燈記《ぼたんとうのき》とてあり 【原文(補足表記)】 骨女《ほねおんな》 是ハ『御伽婢子《おとぎばうこ》』に見えたる、年古《としふ》る女の骸骨《がいこつ》、牡丹《ぼたん》の燈籠《とうろう》を携《たづさ》へ、人間《にんげん》の交ハりを為《な》せし形《かたち》にし

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  • [まとめ]江戸の妖怪絵本『妖怪雪濃段』 - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    『妖怪雪濃段』のまとめですヾ(๑╹◡╹)ノ" 週末に一気読みでもどうぞwヾ(๑╹◡╹)ノ" kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com 結局、三つ目

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  • [12完]江戸の妖怪絵本『妖怪雪濃段』~めでたし、めでたし~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    妖怪雪濃段 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 坂田金平、武者修行ゟ帰り、益/\忠節を励ミけり。 鬼ハ外、福ハ内。 めでたし/\、万《ばん》/\歳《ぜい》。 【現代語訳】 坂田金平は武者修行から帰り、ますます主君[源頼義]への忠義を尽くしたのでした。 鬼は外、福は内。 めでたし、めでたし、バンザイ、バンザイ。 【解説】 金平が、「世の為、人の為に尽くす」のではなく、「主君に忠義を尽くす」というのに、違和感を感じる方もおられるかもしれませんが、この当時の武士道というものは、「主君に忠義を尽くす」「主君のためなら命も捨てる」というのが原則でした。 というわけで、節分の豆を撒いて、鬼は外、福は内で、めでたし、バンザイという、この時期の絵定番の、新年らしいおめでたい場面で終わりです。 僕は豆の

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  • [9]江戸の妖怪絵本『妖怪雪濃段』~化け物の噂話~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    妖怪雪濃段 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 「いやも、化け物で此の頃ハ一つ往来が御座らぬから」 「昨夜《よんべ》も甚五郎と庄屋殿が見て、絶入《ぜつじ》し召さつたげな」 「何でも大きな坊主だそうな」 金平、傍らの酒屋へ立ち寄り、酒を強《したゝ》か呑《の》ミ、里人の話を聞く。 金「小僧、一重《いちじう》ばかり貸してくれ」[?] 「アゝ、おつかない事だ」 「寄るも集《たか》るも、化け物の気味の悪い話」 【現代語訳】 里人A 「いやもう、化け物が出るせいで、最近は通行人が全くござらん」 里人B 「昨夜も甚五郎と庄屋殿が化け物を見て、気を失ったそうな」 里人C 「なんでも、大きな坊主の化け物だそうだ」 坂田金平は、そこにあった酒屋に立ち寄り、酒をいっぱい吞みながら、里人の話を聞きました。 坂田

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  • [8]江戸の妖怪絵本『妖怪雪濃段』~見越大坊主、里人を驚かす~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    妖怪雪濃段 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 見越大坊主、此処彼処《こゝかしこ》に現れ、往来を驚かす。 「何と愚僧《ぐそう》が一流の化け様《やう》を見たか。 あゝ、つがもない」 「舐めてやらふ」 「そりや、話の大坊主めが出たハ」 「あゝ、怖や/\/\」 里人、気を失ふ。 案山子《かゝし》、化ける。 【現代語訳】 見越大坊主は、あちらこちらに現れ、通行人を驚かします。 見越大坊主 「どうだ、ワシの自慢の驚かし方を見たか。 ああ、つがもない[市川団十郎の決めゼリフ。「バカバカしい」「つまらない」の意]。 舐《な》めてやろうか」 里人A 「うわあ、噂の大坊主が出た!」 里人B 「ああ、怖い、怖い、怖い」 里人[村人]は気を失いました。 案山子《かかし》も化けています。 【解説】 見越大坊主は

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  • [7]江戸の妖怪絵本『妖怪雪濃段』~狐火ちらちら~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    妖怪雪濃段 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 金平目を覚まし、彼の腕を斬《き》つて落とすと思ひしが、俄《にハ》かに空、掻《か》き曇り、大風、大雨、凄《すさ》まじく、狐火《きつねび》少しちらめきけり。 【現代語訳】 金平は目を覚まし、その大きな腕を斬って落としたと思ったら、急に空が曇り、すさまじく大風が吹き、大雨も降り、狐火が少しちらつくのでした。 【解説】 下巻の始まりです。 顔をなでられた金平は目を覚まし、大きな腕に斬りかかるのですが、腕は消え、悪天候を引き起こして、化け物は逃げてしまいます。 狐火[キツネが口から吐くという、火の玉の一種]が出たという事は、この腕の正体はキツネだったのかしら??? どうやったら三つ目火が出せるようになるのかな?!ヾ(๑╹◡╹)ノ" 君の服に油をしみこ

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  • [6]江戸の妖怪絵本『妖怪雪濃段』~大きな腕が金平を襲う~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    妖怪雪濃段 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 其れより坂田金平、とある辻堂の辺《ほとり》にて、酒を強《したゝ》か呑《の》ミ、高鼾《たかいびき》にて寝入る。 斯ゝる所に、大の腕をぬつと出し、坂田が顔を撫《な》でる。 【現代語訳】 それから坂田金平は、とある辻堂の辺りで、酒をたくさん飲み、大きいイビキをかいて、ぐっすり寝ました。 そこに、化け物が、辻堂から大きな腕をぬっと出し、金平の顔をなでました。 【解説】 ついに化け物が金平の前に現れましたヾ(๑╹◡╹)ノ" しかも、金平は酔っぱらって寝入っていますヾ(๑╹◡╹)ノ" たぶん、山賊からせしめた酒を飲んだのでしょうね(笑) 金平ピンチ! ちなみに、以前に出てきた大きな腕は、キツネが化けた物でした。 kihiminhamame.hatena

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  • [5]江戸の妖怪絵本『妖怪雪濃段』~坂田金平が強すぎるのか、山賊が弱すぎるのか~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    妖怪雪濃段 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 扨《さて》も、山賊は金平を剥がんと大勢掛ゝりしが、坂田が武勇に恐れ、様/゛\馳走《ちそう》して、国境《くにざかい》まで送る。 「弱い奴らだ」 「アゝ息が弾む。 ちと肩を替えよふ」 「静かに/\、よい/\、わい/\」 「アゝ肩が滅入る様《やう》だ」 富川房信筆 【現代語訳】 さて、山賊は坂田金平の身ぐるみを剥ごうと、大勢で飛び掛かりましたが、金平の武術の強さに恐れおののいて、さまざまな お・も・て・な・し をして、国境まで送り届けました。 坂田金平 「弱いやつらだ」 山賊AB 「ああ、息が切れる、重いからちょっと担ぐ肩を替えよう」 山賊C 「静かに静かに、よいよい、わいわい」 山賊D 「ああ、肩にめり込むぐらい重い」 【解説】 山賊は坂田金平

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  • [4]江戸の妖怪絵本『妖怪雪濃段』~坂田金平登場~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    妖怪雪濃段 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 扨《さて》も、四天王の随一、坂田金平《さかたのきんぴら》、武者修行に立ち出で、此処彼処《こゝかしこ》の国/\を巡りしが、手に立つ者も非《あら》ざれバ、信濃ゝ国の山奥へ心ざし来る。 「きり/\、縕袍《わんばう》を脱いで渡せ/\」 「何だ、俺に酒手を呉《く》れろか。 先《ま》づ、汝《うぬ》らが首から先へ出せ 不届き[?]な野郎だ」 「童《わつぱ》め[わつ始め?]、びくしやくすると、善光《ぜんかう》、飯縄《いゝずな》[線香《せんかう》いらずに?]回り[?]と出るぞ」 「喧《やかま》しい、早く畳《たゝ》んで片付けろ」 【現代語訳】 一方、子四天王[頼光四天王の子]のトップ、坂田金平《さかたのきんぴら》は、武者修行に出て、あちらこちらの国々を巡ったの

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  • [3]江戸の妖怪絵本『妖怪雪濃段』~三つ眼登場~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    妖怪雪濃段 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 見越大坊主、すご/\帰らんとする折節、宿の亭主三つ眼《まなこ》帰り、宿を貸しける故、喜ぶ。 「恐らく、我に怖《お》じる物ハ無い。 しかし、坂田金平《さかたのきんぴら》にハ、愚僧《ぐそう》も草臥《くたび》れ申した」 「この上ハ、互いに心を合はせ、坂田が魂を奪ひ申さん。 あれ/\、東に当たって、赤く鋭《するど》なる雲気《うんき》立ちしハ、武勇優れし者、此の山へ徘徊《はいくわい》すると覚へたり」 「いざ、貴僧の化け様《やう》の秘密、承ハらん」 女房、雪女。 【現代語訳】 雪女に宿泊を断られ、すごすごと帰ろうとした、ちょうどその時、家の亭主の三つ眼《まなこ》が帰って来て、宿を貸してくれたので、見越大坊主は喜びました。 見越大坊主 「おそらく、ワシに

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    kapibara5168
    kapibara5168 2022/10/31
    この頃のお話には、作者は違えど共通のキャラクターでたくさんの話が作られているんですね。挿絵を見ると立派なばけもの同士の語らいですが、実はムジナとタヌキが向かい合ってると思うと可愛い…笑
  • [2]江戸の妖怪絵本『妖怪雪濃段』~雪女登場~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    妖怪雪濃段 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 斯《か》くて、夜明け方になりしかバ、一日の宿を頼む。 「申し/\、お女良、越後の大坊主なるが、大雪に後へも先へも参り難し。 黄昏《たそがれ》過ぎまで泊めて下され」 信濃ゝ山奥に年経て住む、古狸の骨長《こつちやう》、三つ眼《まなこ》の女房、雪女、挨拶《あいさつ》する。 [「古狸の骨長《こつちやう》(骨張)」という用語に関しては、式亭三馬作『大千世界楽屋探《だいさんせかいがくやさがし》』[文化十四(一八一七)年刊]標目に「古狸《ふるたぬき》の兀頂《こつちやう》同穴《ひとつあな》の狐狢《きつねむじな》と往時《わうじ》を語《かた》る」という用例がある] 「アゝ、お易《やす》い事ながら、亭主の留守に私が泊めますも如何《いかゞ》也。 是より十八丁 彼方

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  • [1]江戸の妖怪絵本『妖怪雪濃段』~見越大坊主登場~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    今回から、富川房信作『妖怪雪濃段《ばけものゆきのだん》』(宝暦十三[1763]年刊)を読んで行きたいと思います。 この作品、判読困難箇所が何箇所かあるのですが、意地でもその部分を空欄にはしたくなかったので、これまでの経験と勘を駆使して、無理やりにでも解読していますので、そこんとこヨロシクです(笑) 妖怪雪濃段 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 新板 未 妖怪雪濃段《ばけものゆきのだん》 上 此処《こゝ》に越後の国の山奥に、年を経《へ》し貉《むじな》、見越大坊主《みこしおほばうず》と化けて、久しく時めきしかバ、少し高慢《かうまん》にて、化け物修行に立ち出でける。 「味噌ではないが、化け物ゝ貫道《くわんどう》ハ、愚僧《ぐそう》でおじやらふ」 【現代語訳】 ここ越後の国の山奥で、年を取ったム

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  • [まとめ]江戸時代に読まれた一寸法師 - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    一寸法師のまとめリンクですヾ(๑╹◡╹)ノ" 次回からは久々に妖怪絵でも読もうと思っているのですが、その後は何を取り上げるか決まっていないので、全てにお応えすることはできませんが、リクエストがありましたら、ブコメにでもお願いしますヾ(๑╹◡╹)ノ" kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame

    [まとめ]江戸時代に読まれた一寸法師 - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
  • [13完]江戸時代に読まれた一寸法師 ~めでたし、めでたし~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    御伽草子. 第19冊 (一寸法師) - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 然《さ》る程《ほど》に、少将殿、中納言になり給ふ。 心形《こゝろかたち》、始めより、万《よろづ》人に優れ給へば、御一門の覚えいミじく思《おぼ》しける。 宰相殿《さいしやうどの》聞こし召し、喜び給ひける。 其の後《ゝち》。若君三人、出來《いでき》けり。 目出度く栄へ給ひけり。 住吉の御誓ひに末繁盛《すゑはんじやう》に栄へ給ふ。 世の目出度き例《ためし》、是に過ぎざる事はよも有らじ、とぞ、申し侍《はんべ》りける。 【現代語訳】 そのうち、堀河の少将殿[一寸法師]は、中納言におなりになりました。 心も容姿も、全て生まれつき人より優れていらっしゃるので、ご一族での評判も良く思われてらっしゃいます。 三条の宰相殿もこのことをお聞きに

    [13完]江戸時代に読まれた一寸法師 ~めでたし、めでたし~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
    kapibara5168
    kapibara5168 2022/10/24
    ハッピーエンドなのに納得いかないこの気持ち。当時このお話を読んでいた人々はモヤモヤしなかったのかしらと思ってしまいますが、時代が違えば常識も変わるので、疑問も感じなかったんでしょうねぇ…。
  • [12]江戸時代に読まれた一寸法師 ~一寸法師、宮中へ~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    御伽草子. 第19冊 (一寸法師) - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 此の事、隠れ無けれバ、内裏《だいり》に聞こし召されて、急ぎ一寸法師をぞ召されけり。 即《すなハ》ち参内《さんだい》仕《つかまつ》り、大王《だいわう》御覧じて、 「誠に美《いつく》しき童《わらハ》にて侍《はんべ》る。 如何様《いかさま》是は卑《いや》しからず」 先祖を尋ね給ふ。 「祖父《おうぢ》ハ、堀河《ほりかわ》の中納言《ちうなごん》と申す人の子《こ》なり。 人の讒言《ざんげん》により、流され人と成《な》り給ふ。 田舎にて儲《まう》けし子《こ》なり。 姥《うば》は、伏見《ふしミ》の少将《せうしやう》と申す人の子なり。 幼き時より、父母《ちゝはは》に遅れ給ひ」 斯様《かやう》に心も卑しからざれバ、殿上《てんじやう》へ召され、

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  • [11]江戸時代に読まれた一寸法師 ~一寸法師、打出小槌を振りまくる~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    御伽草子. 第19冊 (一寸法師) - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 程無《ほどな》く背《せい》大きになり、さて、此の程疲れに臨《のぞ》みたる事なれば、先づ/\飯《めし》を打ち出だし、如何にも旨さうなる飯、何処《いづく》とも無く出でにけり。 不思議なる仕合ハせとなりにけり。 其の後《ゝち》、金《こがね》銀《しろがね》打ち出だし、姫君共に都へ上り、五条辺りに宿を取り、十日 計《バか》り有りけるが、 【現代語訳】 すぐに、一寸法師の背は高くなりました。 「ほいじゃ、色々あってすっかり疲れてしもうたから、メシを出しなはれ」 と小槌を振ると、どこからともなく、いかにも美味しそうな事が出てきました。 こうして一寸法師は、不思議な巡り合わせで幸運を手に入れたのでした。 それから、小槌を振って金銀を出し

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    kapibara5168
    kapibara5168 2022/10/19
    打出小槌などなく、自らの脚の骨を折ってまで背を伸ばす過酷な手術に耐える現代の若者に謝って!世間知らずの姫君と小狡い一寸法師がハッピーエンドとか、ちょっとイヤだなぁ。あ、私には新車を一台お願いします。
  • [10]江戸時代に読まれた一寸法師 ~一寸法師、打出小槌ゲットだぜ!~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    御伽草子. 第19冊 (一寸法師) - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 打ち出の小槌《こづち》、杖、笞《しもつ》、何に至る迄、打ち捨《す》て、極楽浄土の戌亥《いぬゐ》の、如何《いか》にも暗き所へ、漸《やうや》う逃げにけり。 さて、一寸法師《いつすんぼうし》ハ、是《これ》を見て、まづ、打ち出の小槌を濫妨《らんばう》し、 「我/\が背《せい》を大きになれ」 とぞ、どうと打ち候へば、 【現代語訳】 鬼は、打ち出の小槌、杖、ムチなど、何から何まで、ほったらかしにして、このまま地獄に居ると危ないので、極楽浄土のある戌亥《いぬい》[北西]の方角の、なんとか鬼でも居られそうな暗い場所へ、やっとのことで逃げて行きました。 さて、一寸法師は、鬼が置いて行った物を見て、まず、打ち出の小槌を奪い取り、 「ワイの背を

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  • [9]江戸時代に読まれた一寸法師 ~一寸法師の鬼退治?~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    御伽草子. 第19冊 (一寸法師) - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 何処《いづく》とも無く、鬼二人 来《きた》りて、一人は打ち出の小槌《こづち》を持ち、今一人が申す様《やう》ハ、 「呑《の》ミて、あの女房《ねうばう》は取り候ハん」 と申す。 口より呑ミ候へバ、目の中《うち》より出にけり。 鬼申す様ハ、 「是《これ》は曲者《くせもの》かな。 口を塞《ふさ》げば、目より出る」 一寸法師ハ鬼ゝに呑まれてハ、目より出でゝ、飛び歩《あり》きけれバ、鬼も怖《お》じ慄《おのゝ》きて、 「是ハ只者《たゞもの》ならず。 只、地獄に乱こそ出來《いでき》たれ。 只逃げよ」 と言ふまゝに、 【現代語訳】 どこからともなく、鬼が二人やって来ました。 一人は打ち出の小槌《こづち》を持っており、もう一人が、 「この小さ

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    kapibara5168
    kapibara5168 2022/10/14
    大きさ設定ブレブレなのが、おおらかというか何というかの江戸文学の良さですかねぇ。呑み込んだ一寸法師が目から出てくるという鬼のカラダの不思議な作りが気になるオニ〜!
  • [8]江戸時代に読まれた一寸法師 ~一寸法師、奇妙な島へ~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    御伽草子. 第19冊 (一寸法師) - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 御心の内、推し計らひてこそ候へ。 あら労《いた》はしや、一寸法師ハ、姫君を先に立てゝぞ出《い》でにけり。 宰相殿《さいしやうどの》ハ、 「哀れ、此の事を止《とゞ》め給ひかし」 と思《おぼ》しけれども、継母《まゝはゝ》の事なれば、さして止め給はず。 女房《にうバう》達も付き添ひ給ハず。 姫君は浅ましき事に思《おぼ》し召して、 「斯《か》くて、何方《いづかた》へも行くべきならねど、難波《なひは》の浦へ行《ゆ》かばや」 とて、鳥羽の津より、舟に乗り給ふ。 折節、風荒くして、興《きやう》がる島へぞ着きにける。 舟より上がり見れバ、人住むとも見えざりけり。 斯様《かやう》に風悪《かぜわろ》く吹きて、彼の島へぞ吹き上げる。 「とやせん

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  • [7]江戸時代に読まれた一寸法師 ~一寸法師、姫君を嵌める~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    御伽草子. 第19冊 (一寸法師) - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 「誠は偽りならず。 斯《か》ゝる者を都に置きて何《なに》かせん。 如何《いか》にも失ふべし」 とて、一寸法師に仰《おほ》せ付けらるゝ。 一寸法師申しけるハ、 「私《わらハ》が物を取らせ給ひて候ふ程《ほど》に、『兎《と》に角にも計らへ候へ』とありける」 とて、心の内に嬉しく思ふ事、限り無し。 姫君ハ只夢の心地して、呆れ果ゝてぞ御座《おハ》しける。 一寸法師、 「疾《と》く/\」 と勧め申せば、闇へ遠く行く風情にて、都を出て、足に任せて歩み給ふ。 【現代語訳】 「しっかり証拠があるから、言い逃れはできませんなあ。 こんな者を都に置いておけません。 どこへでもやっておしまいなはれ」 と、宰相殿は一寸法師に申し付けました。 一寸法

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