ブックマーク / honz.jp (11)

  • 『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』受け身であること、それは最高のエンターテイメントである - HONZ

    「HONZで紹介するって、どんな基準で選んでいるんですか?」そう聞かれることは結構多いのだが、いつも歯切れの悪い回答になってしまう。 むろん小説はのぞくとか、いかにもなビジネス書は紹介しないとか、ジャンルとしての縛りは色々あるのだが、それだけが重要なわけではない。要は、難解なサイエンスや分厚い歴史ばかりをスラスラ読みこなす小難しい集団、そんな風に思われることは絶対に避けたいのだ。 しかし今なら一冊のを差し出しながら、「こんなだよ」と自信を持って伝えることが出来るだろう。それが書『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』だ。 無駄に面白いーーこれ以上の贅沢が考えられるだろうか? 単に鳥類学の普及が目的というだけであれば、ここまで面白くする必要はなかったはずだ。著者の川上和人氏は、森林総合研究所で研究に勤しむ鳥類学者。以前『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』をHONZでもしつこいく

    『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』受け身であること、それは最高のエンターテイメントである - HONZ
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    kkbt2 2017/04/19
    「世の中は積極性至上主義がまかり通り「将来の夢」を描けない小学生は肩身の狭い思いをするが、受動性に後ろめたさを感じる必要は無い」
  • 『生命、エネルギー、進化』この生物学の本にはぶっとんだ! 客員レビュー by ビル・ゲイツ - HONZ

    昨年、私たちの財団でグローバル・ヘルス関連の仕事を手掛けているトレヴァー・マンデルが私に、このを読むよう勧めてくれた。私はそれまで書のことも、著者であるユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのニック・レーンという生物学者についてもまったく知らなかった。数か月後には、私はたんにこのを読み終えていただけでなく、ニックのほかの著書3冊を取り寄せ、うち2冊を読み終わり、ニューヨークで彼と会う手筈を整えていた。 ニックはジャレド・ダイアモンドのような書き手を思い起こさせる。世界について多くを説明する壮大な理論を考え出す人々だ。彼はそんな独創的な思索家のひとりで、あなたにこう言わせる。「この男の仕事についてもっと多くの人が知るべきだ」 ニックの著作は質的には、すべての生きとし生けるものにとってのエネルギーの役割を読者に深く認識させ、科学におけるボタンの掛け違いを正そうとする試みである。『生命、エ

    『生命、エネルギー、進化』この生物学の本にはぶっとんだ! 客員レビュー by ビル・ゲイツ - HONZ
    kkbt2
    kkbt2 2016/10/07
    「なぜ、複雑な生命──私たちが目にするさまざまな植物や動物たち──はあまねく、ある種の性質、たとえば老化するとか、有性生殖で増えるといった性質を、共通してもっているのだろう?」
  • 『医師の感情』医師たちは現場で何を感じているのか - HONZ

    どんなときでも冷静で、感情的になることはけっしてない――医師に対してそうしたイメージを抱いている人は少なくないだろう。だがもちろん、彼らも人の子であり、そうしたイメージそのままであるわけがない。ふだんはどんなに冷静な医師であっても、ときとして強力な感情に圧倒されてしまうことがあるはずだ。それならば、医師は現場で実際にどんな感情を抱いているのか。そして、そうした感情は医療行為にどのような影響を与えているのか。書は、そんな問題に光を当てようとした、アメリカの現役医師によるルポルタージュである。 書はまず「共感」の話から始まる。ここでいう共感とは、「他人の視点でものを見て、感じることのできる能力」、あるいはもっと限定的には、「患者の苦痛を認識し、理解すること」である。よく言われるように、医師は患者に対して「同情」する必要はないかもしれない。しかし、よりよい診断と治療を行おうというのであれば、

    『医師の感情』医師たちは現場で何を感じているのか - HONZ
    kkbt2
    kkbt2 2016/07/26
    「たいていの医師は、医師となるために長らく自己抑制を続けてきた人たちである。それゆえ、たとえば依存症患者は、彼らの目には怠惰や自堕落なものに映り、なかなか理解の対象とならない」
  • 『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』悲劇への道は、共感の心で敷き詰められている - HONZ

    SNSに功罪はあれど、「共感をベースにした評判社会」という言葉には何か否定できないものがある。他人の喜びや悲しみといった感情に寄り添うことができ、周囲からどのように思われているか可視化される状態であれば、さぞかし理想的な社会になるはずだ。 しかし、実態はどうだろうか。人々のつながりは誹謗中傷や負の感情を運ぶ時の方が勢いが強く、よりスキャンダラスな方向へと向かっているような印象も受ける。ならば、世の中は「共感をベースにした評判社会」とは違う方向へ進んでいるのだろうか? 書はこのような疑問に対して、明快に回答する。むしろ、これは共感をベースにしているからこその動きであると説くのだ。驚くのはそのメカニズムを、1942年と1950年に起きた2つの冤罪事件(浜松事件と二俣事件)、そして1759年に出版されたアダム・スミスの『道徳感情論』という2種類の要素から解き明かしていることだ。 なぜ、SNS

    『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』悲劇への道は、共感の心で敷き詰められている - HONZ
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    kkbt2 2016/06/03
    「これまで築き上げた「評判」をすべて崩され、絶対的な孤独に陥った被疑者は、目の前の取調官の「評判」を得るために、なんでも言ってしまうようになる」
  • 『殺人犯はそこにいる』 - 真犯人への挑戦状 - HONZ

    ただならぬタイトルの裏側には、ただならぬ闇が潜んでいた。地を這うような調査によって、ドミノ倒しのように明かされていく衝撃の事実。報道という武器を駆使して次々に繰り出される手技。それでも事態は動かない。「真実」への道のりは、ここまで遠いものか。そして「当たり前」のことを当たり前のように行うのは、ここまで難しいものか。 北関東連続幼女殺人事件は、栃木県足利市、群馬県太田市という隣接する2市で、5人の少女が姿を消した事件である。犯行は半径10キロという限定された地域で複数年おきに行われており、誘拐現場の大半がパチンコ店、そしてほとんどの遺体が河川敷で発見されるなど共通項は多いものの、犯人は未だに逮捕されていない。 事件を時系列に並べると、以下のようになる。 1979年 栃木県足利市 福島万弥ちゃん  5歳 殺害 1984年 栃木県足利市 長谷部有美ちゃん 5歳 殺害 1987年 群馬県尾島町 大

    『殺人犯はそこにいる』 - 真犯人への挑戦状 - HONZ
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    kkbt2 2014/01/21
    「組織が大きな「物語」を描く時、その綻びは必ず個人のもとで表面化する。だから「一番小さな声を聞く」」
  • 『統計学が最強の学問である』 統計リテラシー、あると何かと便利です。 - HONZ

    いかなる分野の議論においても、データを集めて分析することで最速で最善の答えを出すことができる。それが、統計学が最強の武器たりうる所以である。 書では、医療や企業経営などの分野でデータ分析・活用の経験を有する著者による領域横断的な解説を通じ、統計学の世界を俯瞰できるようになっている。統計リテラシーを身につけたい方の入門書としてもおススメの一冊だ。 「疫学」とは原因不明の疫病を防止するための学問であり、ここでも統計学がその威力を発揮する。仮にあなたが数十万の人命を左右しかねない場面に立たされたなら、有効な施策を打ち出すためには自身の勘や経験よりも、データと統計解析に基づいたエビデンスを頼みとするであろう。 人類史上はじめて疫学が用いられたのは19世紀のロンドン。当時イギリス全土ではコレラが四度の大流行を起こし、合計数十万人もの死者を出した。そこで「疫学の父」と呼ばれる外科医のジョン・スノウが

    『統計学が最強の学問である』 統計リテラシー、あると何かと便利です。 - HONZ
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    kkbt2 2013/02/28
    「【問1】何かの要因が変化すれば利益は向上するのか? 【問2】そうした変化を起こすような行動は実際に可能なのか? 【問3】変化を起こす行動が可能だとしてそのコストは利益を上回るのか?」
  • 『怒る!日本文化論』 昔は良かったというけれど - HONZ

    父は国際スパイ、母はナポリの花売り娘。自称イタリア生まれの謎の論客として著者がデビューしたのは2004年の『反社会学講座』。軽い文体ながら、統計資料を使って、世間の常識に物を申すスタイルは当時は斬新で、世間のひねくれ者の喝采を浴びた。あれから8年。いまだに正体を明かさず、イタリア語をしゃべれないイタリア出身の千葉県民というキャラ設定を貫き通す姿勢には敬服する。他人事ながらネタ切れを心配してしまうが、軽妙な文章に惹かれ、新作が出るたびに買ってしまうのは私だけではあるまい。今回は「怒らない、叱らない日人」をテーマに取り上げている。 ふざけたペンネームからは想像できないが、電車内でも家の近くでも行儀の悪い人にはマッツァリーノ先生はガンガン注意するとか。を履いたまま座席に上がる子供連れのお母さんや、イヤホンからガシャガシャ音漏れさせている若者など。いやーな顔をされてもとりあえず注意する。ただ、

    『怒る!日本文化論』 昔は良かったというけれど - HONZ
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    kkbt2 2012/12/10
    「まじめな顔で」「すぐに」「具体的に」
  • 著者インタビュー『オタクの息子に悩んでます』岡田斗司夫氏(後編)by仲野徹 - HONZ

    仲野徹による岡田斗司夫氏へのインタビューの後編です(前編はこちら)。まず、『オタクの息子に悩んでます』を読み、また仲野徹によるこのレビューに目を通してからこのインタビューを読むと、何倍も楽しめますよ。 今回の後編では、徐々にの内容を離れて、雑談の様相に。そんな雑談を掲載できてしまうのもウェブのいいところ、雑談のなかに面白い言葉が散りばめられています。大学不要論に内田樹、塀の中のあの人のことまで、ディープなところにまで話は進む、ちょっと危ないインタビューです。 中途半端に頭がいいから、メモしないんでしょ *ここで話題になっている「ツール」は『オタクの息子に悩んでます』で詳しく解説されている、悩みに回答する際に使える岡田氏オリジナルの11の思考ツールのこと。仲野徹も絶賛のこれらのツール、ぜひを読み、その使用法を学んでください。 仲野:に書いてある「ツール」がすごくわかりやすくて。 岡田:

    著者インタビュー『オタクの息子に悩んでます』岡田斗司夫氏(後編)by仲野徹 - HONZ
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    kkbt2 2012/11/20
    「理屈ってのは所詮言葉なんですよ。屁理屈というだけであって人間の心が動くのが理屈で、「物事がそのように正確に作動する」のが論理」
  • 著者インタビュー『オタクの息子に悩んでます』岡田斗司夫氏(前編)by仲野徹 - HONZ

    仲野徹が「古典的名著、デール・カーネギーの『道は開ける』 に匹敵すると言っても過言ではない」と絶賛し、HONZでも大きな反響があったのがこのレビュー。の売れ行きも好調で、何度も重版がかかっているという。 レビュアーの仲野は、かねてから朝日新聞連載の人生相談「悩みのるつぼ」における岡田斗司夫氏の回答の大ファンで、書の元になった、大阪NHK文化センターで開催された「岡田式『悩みのるつぼ』実践講座~悩みは解決させるな!?」にも参加したという。そして、とうとう、大阪から東京まで出張ってきた仲野徹による、岡田斗司夫氏へのインタビューが実現したのである。話が弾みすぎて、終始笑いっぱなしのインタビュー。どこから紹介していいのか迷うところだが、まずはその第一弾、「愛」にこだわる仲野徹が岡田氏に迫ります! 最後に愛をふりかける 仲野:(相談に対して)一個一個、回答しながらこういう論理を身につけていかれ

    著者インタビュー『オタクの息子に悩んでます』岡田斗司夫氏(前編)by仲野徹 - HONZ
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    kkbt2 2012/11/06
    「その場で聞かれて答える力って使う筋肉が違う」「幸せとは「不幸の回避」ではなく、「乗り越えるのが楽しい不幸」」
  • 『医者は現場でどう考えるか』 - HONZ

    ある冬、軍事演習を行っていたハンガリー軍の少尉は偵察隊をアルプス山脈に送り込んだ。その直後降り始めた雪は2日間にわたって止むことはなく、少尉は「彼らを殺してしまったのでは?」という不安に苛まれていた。しかし、3日目に奇跡が起こる。彼らは全員無事に帰ってきたのだ。驚く少尉に調査隊のメンバーがその経緯を話し始めた。 「地図もコンパスもなく自分がどこにいるかも分からなくなり、死ぬのを待つのみという状況だった。ところが、メンバーの1人が滅多に使わないポケットから折りたたまれた地図を発見し、我々は冷静になることができた。その地図は周りの地形と完全に一致はしなかったが、地図を頼りに自らの位置を確かめることで、何とかここまで辿り着けた。」 彼らの命を救ったその地図を見せて貰った少尉は再び驚くことになる。 それはアルプス山脈の地図ではなくピレネー山脈の地図だったのだ。 組織論の大家であるカール・E・ワイク

    『医者は現場でどう考えるか』 - HONZ
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    kkbt2 2012/10/30
    「不確実な状況で意思決定する際には、先ずは自分の決断が不確実なものであるとしっかり認識することが重要だ」
  • 『弱くても勝てます』 超進学校の「異常な」セオリー - HONZ

    住大夫の自伝である。おなじみ日経済新聞「私の履歴書」の書籍化だ。ちなみに近年「私の履歴書」で最も面白かったのは李香蘭すなわち山口淑子だった。書は次点だが、経営者の自叙伝の何十倍も面白い。何万倍かもしれない。つまり経営者の自叙伝などはことごとく面白くない。そういえば佐野眞の『甘粕正彦 乱心の曠野』などは李香蘭の自伝を読んでからのほうがはるかに面白いはずだ。話が脱線した。 竹住大夫は義太夫節の大夫である。三味線弾きと二人で人形劇である文楽に登場し、物語の一切を語るのが大夫だ。住大夫はその最高峰なのだ。もちろん人間国宝だ。義太夫節とは大阪弁丸出しのダミ声でわめくような感じの日独特の歌唱法である。あまりに独特なので初めての人は面らう。ともかく何を言っているのかさっぱりわからない。しかし、慣れてくると、これがじつに素晴らしいのだ。 ところで書によれば、竹住大夫は奈良の薬師寺の故高田

    『弱くても勝てます』 超進学校の「異常な」セオリー - HONZ
    kkbt2
    kkbt2 2012/10/03
    すげえ面白い。現状をすべて肯定的に受け取り、厳然たるルールの基本だけをなんとか抑える。小さい力を最大化する。
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