国際フォーラムでミューズを見た後、帰途の地下鉄で大道寺将司氏の第2句集「鴉の目」(現代企画室)のページを繰る。ライブの余韻で湿った心に、言葉の雨が染み込んできた。朧だった句の輪郭を、ようやく掴めたような気がした。 辺見庸氏の講演会で句集の存在を知った。「万物を商品化する今日で唯一、言葉本来の神的響きを提示している」と大道寺氏を絶賛した辺見氏が、序文を担当している。 大道寺氏は東アジア反日武装戦線「狼」のリーダーで、三菱重工爆破事件、昭和天皇乗車列車爆破未遂(虹作戦)などで起訴され、確定死刑囚として収監されている。「狼煙を見よ」(松下竜一著)で、大道寺氏らの素顔を知ることができた。メンバーがセクトと距離を置いていたことが、思想的な飛躍と同時に、躓きの要因になった。爆弾の破壊力を十分に把握できず、犯行声明のタイミングを誤ったことが、多数の死傷者を出す悲劇に繋がった。 俳句は門外漢ゆえ、講演会で
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