文:高栖匡躬 これまで3回にわたり、加計学園問題に端を発した『獣医師は足りているのか、足りていないのか?』という問題について書いてきました。 前回はそもそもの話で、動物病院の市場規模を探りました。これは要するに、儲からないと(少なくとも食える職業でないと)、誰も獣医師を目指さないだろうとの観点からの検証です。 順番的には次は動物病院との対比で、産業獣医師の話に触れることになるのですが、1回だけここでインターバルを挟もうと思います。読者の方から、ここまでの記事で、幾つか気になる質問をいただいているからです。 質問(或いは課題の提起)というのは、下記の3つです。 ①ごく一部の動物病院に、富の多くが集中していたらどうなるのか? ②使用した統計データ自体に、重大な誤差がある可能性は? ③市場規模の計算に、保険会社発表の値を使うのは如何なものか? 【目次】 質問の理由について ①ごく一部の動物病院に