ふらっと立ち寄ったお店で売っていて一目惚れした。一辺の長さが20cmもない、小ぶりな絵本だ。表紙は厚みがあって、なんだかぷくぷくしている。作者は「はらぺこあおむし」でおなじみの、俺たちの! エリック・カール。「A」は「ants」、「B」は「bird」、「C」は「crocodile」……といった具合に、頭文字がABCの順に動物の絵が1ページに1つずつ並んでいて、右のページはフリップのようにめくる仕掛けになっている。真っ白な背景に、エリック・カール特有の鮮やかなコラージュが映える。 コハシに「見せて」とせがまれたけれど、ページがぐしゃぐしゃになるのが目に見えていたので「いやです、これは私のだから! 私が大事に見るやつだから!」と急いで買って鞄にしまい込んだ。ふと視線を感じて横を向いたら、一緒に買い物に来ていた義母が呆然とこちらを見ていた。私の奇行に義母はかなり慣らされてきたけれど、今でもたまに