手足ばたつかせるだけだった赤ちゃんがいつの間にか寝返りを打ち、ハイハイし、やがて立ち上がって不器用に歩き出す。歩くことを覚えてからというもの、ずっと一日中あっちへこっちへと動いているものだから、ついて歩くこちらが先にバテてしまい「子供の体力はすごいな。四十男にはついていけねえわ」そんな事ばかり考えていた。でも、こちらも体力がついたのか単に慣れただけなのか、一日のやりくりに関してまあこれくらいならなんとかなりそうだ、なんて甘く考えていた矢先、先月くらいから子供の身体能力が急に一段階、上のレベルに移行したというか、今までのは準備体操だよとばかりにさらに激しく外を駆け回るようになった。偏食のかたまりでバナナとフライドポテトしか食ってないのにお前元気だなあ、というのは置いといて、ついて歩く私にしてみれば「このあたりが頂上だろうか」などと甘く考えていた場所はまだまだ山の一合目二合目であったというわけ