奨学金による自己破産者は1万人を超えると言われている中、多額の奨学金返済を背負い、その思いをコラムで書いている元SEALDs諏訪原健さん。奨学金に翻弄され続けた地方公務員の女性(25)のケースを取材した。 * * * 「奨学金のことがなかったら、今頃家族は仲良くしていたんじゃないかと時々思うことがあります。そう考えると、つらいですね」 奨学金に関するインタビューの途中、美咲さん(仮名)は電話越しでそんな言葉を口にした。なぜ彼女は「奨学金がなかったら……」と語るに至ったのか。彼女の奨学金と家族にまつわる話を聞かせてもらった。 彼女は現在25歳。社会人3年目で、地元の近畿地方で地方公務員として働いている。大学は実家から離れた東海地方にある国立大学に進んだ。家庭の経済状況が芳しくなかったため、奨学金を借りての進学だった。 彼女が借りた奨学金は、第一種(無利子)が月5万1千円と、第二種(有利子