1925年に日本で初めてのラジオ放送が行われてから、今年で97年。ラジオほど長期間にわたって互換性が維持されているメディアはない。 MDしかり、レーザーディスクしかり、アナログTVしかり、その間、様々なメディアが生まれては消えていったが、その普及の過程で互換性を犠牲にして混乱を招いたケースも少なくない。例えば、MDは途中からMDLPという規格が生まれ、長時間記録ができるようになったが、既に普及していた多くのMDデッキではMDLPの再生ができなかった。しかし、ラジオに関しては、例えば創成期の鉱石ラジオがあれば、現在の放送を何の問題も無く聞けるのである。 ここでは、ラジオが進化してきた道のりを、いくつかの視点から追いかけてみたいと思う。 電波の発見~ラジオ放送へ まず、世界で初めて電波の実験に成功したのは、ドイツのヘルツ(「Hz」という単位はこのヘルツからきている)である。1888年に、コンデ