物語文とは何か。意外と難しいのだ。普通の小説だけではない。伝記も物語文だ。自伝も多くは物語のジャンルになる。随筆文が難しい。たとえば大平光代氏の『だからあなたも生き抜いて』にしても場所によっては物語文の手法で解かなければならない。場所によっては随筆文の解き方が必要だ。ポイントはせりふ。複数の登場人物のやりとりがメインのシーンでは物語文の手法で解くのが早い。逆にフィクションでも随筆の手法がのぞましいものもある。 物語文のポイントは三つ。場面・心情・主題。 場面から。場面とは「いつ」「どこで」「だれが」の要素からなる。したがって「いつ」「どこで」を示す言葉が出れば、そこで場面転換が行なわれている。さらに「だれが」つまり登場人物の変動は場面転換につながる。登場人物の登場、退場などだ。さらに「いつ」を押さえ、「どこで」を押さえ、「だれが」の詳しい内容を押さえる必要がある。特に人物描写についてはいろ