東京都内の会社が運営する二つの私立保育園が、「将来の傾向が分かる」として子どもに遺伝子検査を受けさせるよう呼び掛け、保護者の3割が応じていたことが判明した。国内の検査会社でつくる団体は、本人が同意できる年齢になるまで待つべきだとして、検査を成人に限るよう自主基準で定めている。この園が検査を仲介した企業は香港にあり、団体には加盟していない。 急激な人口減少を背景に担い手、支えて不足、人材離れが進み、公共セクターを中心に社会の仕組みが行き詰まりの危機に直面する日本。デジタル化、激甚化、温暖化の進展といった新たな社会変化が進む中、それでも変われないニッポンのなぜに迫ります。19日まで連日午前6時にアップ予定です。 「子供の未来を知るチャンス! 子供のDNA検査キット」 2023年9月、ある園児の母親がスマートフォンを開くと、保育園からそんなタイトルのメッセージが届いていた。 知能や性格、身体の特
自民党党紀委員会で「離党勧告」の処分が正式決定し、記者の取材に応じる塩谷立氏=衆院第2議員会館で2024年4月4日午後7時、宮間俊樹撮影 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で党が下した「離党勧告」処分に「まるでスケープゴート(生けにえ)」だと反発し、岸田文雄首相(党総裁)も責任を取るべきだとして12日に党に再審査の請求をした塩谷立・元文部科学相(74)。「温厚で押しは弱い」と評される塩谷氏を駆り立てたのは、「友」と信じてきた岸田首相による非情な仕打ちへの憤りだった。 「岸田総裁の責任も問われるべきだ」 「党の窮状でやむを得ず処分する。そういう言葉があれば、『はい分かりました』と言ったかもしれない」。離党勧告翌日の5日、塩谷氏は記者会見で、党への再審査請求を検討すると表明しつつそう語った。塩谷氏が強調したのは処分以上に、処分に至るまでの党執行部の「独裁的・専制的」(塩谷氏)な対応への不満
桐生市の生活保護費支給の問題点について報告する反貧困ネットワークぐんま事務局の町田茂さん=群馬県桐生市中央公民館で2024年4月4日、遠山和彦撮影 群馬県桐生市が生活保護費の支給で不適切な対応をしていた問題で、桐生市生活保護違法事件問題全国調査団(団長・井上英夫金沢大学名誉教授)は4日、同市内で報告会を開催した。受給者が市の窓口で相談員から「お前は税金で飯を食っている自覚があるのか」「生活保護は他の自治体で申請しろ」などと威圧的な対応をされた事例が新たに報告された。また、同市が警察OBを生活保護担当の部署に非常勤嘱託職員として採用し、専門外の就労支援に当たらせていたことも判明。調査団は5日、県や市などに改善を要望する。【遠山和彦】 会で報告した「反貧困ネットワークぐんま」の町田茂さんによると、1月にフリーダイヤルで同市の生活保護支給について情報を募ったところ、窓口で相談員に威圧的な態度で申
「イオンシネマシアタス調布」公式サイト(https://www.aeoncinema.com/cinema/chofu/)から シネコン「イオンシネマ」を運営するイオンエンターテイメント株式会社は16日、映画館の利用者に従業員が不適切な対応をしたとして公式サイトで謝罪した。 多くのテレビ番組に出演し、YouTube、講演活動など幅広く活動している車いすインフルエンサー・中嶋涼子さんが15日、自身のX(旧ツイッター)に、イオンシネマで映画を観賞した際の出来事を投稿。これまでは「一人で見に行って映画館の人が手伝ってくれてた」が、この日は観賞後に従業員から「この劇場はご覧の通り段差があって危なくて、お手伝いできるスタッフもそこまで時間があるわけではないので、今後はこの劇場以外で見てもらえるとお互いいい気分でいられると思うのですがいいでしょうか」と言われたという。 中嶋さんは「なんでいきなりダメに
日本の風物詩とも言える音に苦情が寄せられ、行事の中止や方法の変更を余儀なくされるケースが相次いでいる。東京都のある寺は今年、31日の除夜の鐘を中止する。毎月2回、早朝についてきた鐘の音が「うるさい」と、警察に苦情が寄せられたことがきっかけだった。一年を締めくくる百八つの鐘は騒音なのか。 「除夜の鐘中止のお知らせ」。師走を迎えた東京郊外の寺の入り口に、そんな書き出しの一枚の紙が張り出されていた。「お知らせ」によると、苦情があったのは今年5月。所轄の警察署から連絡が来た。寺では毎月1日と15日の朝5時に鐘をついてきたが、回数を減らすことにした。 だが半年後の11月、いつものように鐘をついた数時間後、墓地にあった手おけ30個が全て燃える不審火が起きた。警察によると、苦情との因果関係は不明という。寺は朝の鐘つきをやめ、除夜の鐘も中止を決めた。
記者会見で「なぜ娘が自死に追い込まれたのか真実を知りたい」と涙ながら訴える女子生徒の両親=福島県郡山市で2023年12月4日、根本太一撮影 福島県立須賀川創英館高校に通っていた3年の女子生徒(当時17歳)が2022年4月に自殺した問題で、生徒の両親が4日、郡山市内で記者会見した。県教育委員会が設置した第三者委員会が8日に報告書をまとめるのを前に、「なぜ娘が追い込まれたのか、真実を知りたい」と涙ながらに訴えた。 生徒は、新学期開始間もない22年4月15日に亡くなった。両親は直後、県が開設している相談窓口に、生徒が「クラスにいづらい」などと送ったメールの書き込みを見つけたという。 0歳時に腸の一部を切除する手術をした際の家族の苦労話を知り、小学生で「看護師になる」夢を描いていた。中学の弁論大会では、生命の大切さを語り、高校ではスポーツ部活動のマネジャーとして青春を満喫していた。
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