中世の女性の歯石の中に、貴重なラピスラズリの青い粒子が閉じこめられていた。(PHOTOGRAPH BY CHRISTINA WARINNER) 中世の写本家といえば、男性を想像するのが普通だろう。ろうそくの明かりに照らされた部屋で、修道士が懸命に世界の知識を羊皮紙に書き写す様子を思い浮かべる人もいるかもしれない。「修道士、修道士、修道士。みなさんが中世の写本家と聞いて想像するのは、いつも決まって男性です」と言うのは、米オハイオ州立大学の歴史学者アリソン・ビーチ氏だ。(参考記事:「中世の本にネコの足跡、ネットで話題に」) だが、新たな発見によって、女性たちが早くから写本に関わっていた可能性が浮かび上がっている。しかも彼女たちは非常に腕がよく、尊敬され、11世紀の芸術家が入手できたものの中でも、特に高価な顔料を扱う作業を任されていたようだ。そんな研究結果が、ドイツ、マックス・プランク人類史科学