映画『怒り』公開直前インタビュー(前編) 「答えが分からないもののほうが面白いし、意欲が湧いてくる」人気プロデューサー・川村元気が語るヒット作を生み出す秘訣 近年の日本映画にないシリアスさを極めた内容ながら、2010年に劇場公開された『悪人』は同年公開の『告白』と共に作品としての評価のみならず興行面でも大きな成功を収めた。一転して、2011年に公開された『モテキ』は震災による自粛ムード一辺倒だった当時の日本に明るい笑いと希望をもたらした。2015年には『バクマン。』、2016年は『君の名は。』が大ヒット。東宝の映画企画部に所属する川村元気プロデューサーは、現在の日本映画界を語る上で欠かすことのでないキーパーソンのひとりだ。新作『怒り』の公開を控えた川村プロデューサーに、これまでにない企画を生み出す秘訣について大いに語ってもらった。 ――吉田修一原作、李相日監督という『悪人』チームが再び組ん