歴史的な港の景観で知られる、広島県福山市の鞆の浦の一部を埋め立てて橋を架ける事業を巡る裁判で、広島県は埋め立て計画を撤回して、国への申請を取り下げる方針を示しました。これを受けて住民側は事業の中止を求める訴えを取り下げる手続きを行い、およそ9年にわたる裁判が終結しました。 2審の広島高等裁判所で、広島県は橋を架ける計画の撤回に向けて住民側と話し合いを続け、15日開かれた弁論で、鞆の浦周辺を埋め立てるために国に出していた免許の申請を取り下げる方針を伝えました。 これを受けて住民側は事業の中止を求める訴えを取り下げる手続きを行い、平成19年以降およそ9年にわたり続いた裁判が終結しました。 原告団の松居秀子事務局長は記者会見し、「鞆の浦の景観が損なわれる事態が回避され、うれしい。広島県と福山市には、遅れていた住環境の整備や文化財の保全などの事業を早急に進めてほしい」と話していました。 裁判が終結