今年5月、国語教科書の老舗、明治書院のサイトで新しい検定教科書の目次が発表された。中原中也、夏目漱石、森鴎外など、団塊ジュニア世代である筆者の高校時代と変わらぬ名前の中に、新鮮な名前が登場した。台湾現代文学を牽引する小説家・呉明益氏、翻訳は故・天野健太郎氏である。台湾文学としては「快挙」といえる事態だ。 作品名は「歩道橋の魔術師」という。原著は2011年に台湾で発売された。翌年には、台北国際ブックフェアの小説部門で大賞を受賞、2020年には台湾人の漫画家2人によってコミック化され、さらに2021年2月には、全10話でテレビドラマ化。日本で翻訳版が出されたのは今から7年前で、昨年には河出文庫から文庫本が刊行されている。 舞台となったのは、1980年代の台北・西門町にあった「中華商場」という名の大型ショッピングモール。『歩道橋の魔術師』は、そこに突如として現れたマジシャンをめぐって編まれた連作
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