人口約1万1000人の埼玉県美里町は2022年10月末、全国約1700の自治体に先駆けて「ガバメントクラウド」上に基幹業務システムを移行し、稼働させた。国の施策により、自治体はそれぞれの基幹業務システムを2025年度末までにガバメントクラウド上の「標準準拠システム」に移行する「自治体システム標準化」が求められている。 先行事例となった美里町の場合、既存システムをガバメントクラウド上に移行したところで、標準準拠システムへの切り替えはこれからという状況だ。ただ、既に運用コストが1.9倍に膨らむ試算が出ている。国は自治体システム標準化により運用コスト3割減を目指すとしており、課題が早くも浮き彫りになった。 通信回線費が6倍に ガバメントクラウドとは、デジタル庁が整備し、自治体や中央省庁が共用するクラウドサービスである。複数のクラウドサービスから成るマルチクラウドであり、デジタル庁がクラウドサービ