つい先日,どんな人間でありたいか,という質問を投げかけられた. そのとき,「怒らない」ようにありたい,しばらくはそれだけでいい,と答えた. これまで私を動かしてきたのは,怒りの感情だった.自身の理想を自信でかためて,そのとおりでない環境や自分に怒り,それをエネルギーにして自分自身を動かしてきた. 怒りの感情を,自分の内側に留めきれれば良いのだけれど,どうしても漏れだしてくる.ほかの人に近づけば近づくほど,漏れでた怒りは強くあたってしまうことになる. 怒りはたしかに力を与えてくれる.でも,つまらない. 近くに寄ることができた人に対して,その距離が近いほど,つまらない思いをさせてしまう.自分も,大切な人につまらない思いをさせて,つまらない. 近くにいる人ほど,強く怒りをあてて遠ざけてしまうので,怒る人は孤独である. そして,孤独ということは,自分自身に対する甘美な言い訳である. 2年前,降り積