長いので、興味ない人は1行くらいでスルーしてください。 「疎外論」批判というのが一部でちょっと盛り上がっていたみたいですが。 なぜ「疎外論」という発想が生まれたのかと言えば、それはたぶん、他人を説得する時にそういう方法しか思いつかなかったからじゃないかと思います。「本来の人間の姿」と「本来的じゃない現在の人間の姿」とを対比させて、その差異を見せ付けることで「ほら、現在はこのような問題があるんだから」と問題のありかを指し示すというのは、他人に自分の意見を示す上でも非常にわかりやすくなりますし。 じゃあ逆に、疎外論抜きで「私は社会に対してこのような問題意識を持っている」ことを指し示すとしたら、どうなるでしょうか。 「見ろ、このような社会のあり方は問題だ」 「なんで? 人間の生活はあるようにある、ただそれだけじゃん」 「なんでだよ、こんな社会のあり方は人間にとって生き難いだろうに」 「生き難いっ