占領期における図書館政策の推移―CIE関係文書による 根本 彰、三浦太郎、中村百合子、古賀 崇 (東京大学大学院教育学研究科) GHQ/SCAPの教育政策を担当した民間情報教育局(CIE)における図書館政策の推移を跡づけるために、占領期を3期に分け、前期4文書、中期3文書、後期5文書の計12の政策文書を取り上げ分析した。その結果、前期に公共図書館の相互協力を中心に提示された全国計画の政策は、初代図書館担当官キーニーの帰国によって頓挫しその後に引き継がれなかったこと、実施された主たる図書館政策のほとんどは図書館担当官以外の人々によって着手されたものであったことを明らかにし、図書館振興というコンセプトはあったがそのための一貫した図書館政策は見られなかったといってよいことを指摘した。 1 はじめに 占領期の図書館政策の担い手として、占領軍GHQ/SCAP、文部省、日本図書館協会などを考えることが
東日本大震災で被災した紙資料の復旧支援を行う専門家グループ「東京文書救援隊」が、そのブログで、2011年6月の発足から1年間の活動を報告しています。活動報告には、開発した「文書復旧システム」(東文救システム)によって支援を行った11機関の紹介のほか、講演・システム実演・ポスター発表・展示等やメディア掲載状況、収支報告書が収録されています。東京文書救援隊では当初1年間を活動の目途としていましたが、要請に応えて2年目も活動を継続して行うとのことです。 東京文書救援隊の初年度活動報告および本2年度に向けて(東京文書救援隊 2012/6/27付け記事) http://toubunq.blogspot.jp/2012/06/2.html 参考: 東京文書救援隊が発足から半年間の活動記録をまとめたレポート記事をブログで公開 http://current.ndl.go.jp/node/19924 東京文
2012年6月28日木曜日 『日本の図書館』にみる大学図書館員―正非の比率 『日本の図書館:統計と名簿』を素材にして、大学図書館員の統計項目の変化から数の推移を見てきました。 最後に正規雇用職員と非正規雇用職員の比率を見ておわります。 専任 雇用形態において、正規の職員として雇用されている者をいう。 専従職員 職務において、図書館業務に専従しているもので、現員数を記入する。 兼務職員 専任職員で図書館以外の職務を兼ねている者をいう。 非専任 図書館の正規の職員以外のものをいい、短時間雇用も含める。2011年5月1日時点での2011年度予定数で年間実働時間の合計を1500時間で除したものを1人として、統計と、うち数として司書・司書補の数を記入する。小数点第2位を四捨五入。 非常勤職員 健康保険、失業保険、厚生年金等の措置があり、雇用契約は1年毎でも、経常的に雇用されているもの。嘱託は
最近は、OPACの機能も一段と拡充したので、東京の国立国会図書館へ出かけることもめっきり減った。その代り、ネットで複写申し込みをし、関西館からの複写送付も多くなった。東京本館への交通費もバカにならないからとても助かっている。といっても、出かけて調べたり、資料を実際に閲覧したりすることによって、情報がいっそう確かに、いっそう広がることを思うと、便利さを喜んでばかりいられない。 私の参加しているポトナム短歌会の全国大会が神戸で開催されたので、約30年ぶりに参加、いろいろと感じるところもあったが、感想などはまた別の機会に譲ることにして、今回は、その帰りに京都近郊の精華町にある国立国会図書館関西館に寄ったときのレポートとしたい。図書館のHPで小展示「日本の詩歌」が始まったばかりなのを知った(6月21日~7月17日)。展示のイメージ、展示のコンセプトがわかりにくかったので、思い切って京都駅で途中下車
世界を覆い尽くすグローバルスタンダードとしてのアメリカ化(親米化)は冷戦期の日本を含めた東アジアでさまざまなメディアを駆使してどのように展開されたのか.本書ではCIE/USIS映画とVOAラジオを取り上げ,アメリカのメディア戦略と東アジア地域での受容から,その実相を明らかにする. 総論 文化冷戦と戦後日本(土屋由香/吉見俊哉/井川充雄) 第1部 政策としてのメディア冷戦 第1章 アジア太平洋における政策とプロパガンダ(ケネス・オズグッド) 第2章 原子力平和利用USIS映画(土屋由香) 第3章 VOAフォーラム(井川充雄) 第4章 冷戦期アジアにおけるVOAの展開と中継所の世界的配置(小林聡明) 第5章 冷戦期アメリカの民族国家形成への介入とヘゲモニー構築の最前線(許殷) 第6章 農村青年のカリフォルニア訪問(メアリー・ティン・イー・ルー) 第2部 メディア冷戦を受容する 第7章 冷戦期の
いま〈宗教〉を語りなおすとはどのようなことか.西洋発の宗教概念は,オウム事件そして大震災以降の日本社会において大きくゆらいでいる.自らを徹底して脱構築した彼方に,浮かび上がる新しい宗教研究の可能性.旧来の学問研究に一線を画す,実存的な学問の試み. はじめに――宗教的想像力への跳躍 I 宗教研究の突破口 1章 宗教を語りなおすために――宗教研究とポストコロニアル状況 2章 宗教概念論を超えて――ポストモダニズム・ポストコロニアル批評・ポスト世俗主義 3章 宗教概念あるいは宗教学の死――宗教概念論から「宗教の回帰」へ II 日本の宗教学と宗教史 4章 〈日本の宗教学〉再考――学説史から学問史へ 5章 多重化する〈近代仏教〉――固有名のもとに 6章 〈日本宗教史〉の脱臼――研究史素描の試み III 宗教概念と神道、そして天皇制 7章 近代日本と宗教――宗教・神道・天皇制 8章 逆説的近代としての
ん?(・ω・。) なにやらオタどんがわちきに関するエントリをUPしとる(σ^〜^) 古本への飽く無き探究心、たわけた執筆予告、おちゃらけた文章 http://d.hatena.ne.jp/jyunku/20120623#p1 ( ≧∇≦)ノニャハハ これって、わちき?(・∀・`;) ほみられたヾ(*´∀`*)ノ゛キャッキャ どうやら、わちきこと書物蔵を、「トンデモ本」といふ概念および用語を発明した藤倉珊(筆名、ふじくら・さん)になぞらえて、平成日本図書館界の藤倉であるといっている(。・_・。)ノ いやさトンデモ学のことを略してト学といふらすぃーが、じつハ、昭和の末年ごろか、図書館学のことを同様に「図学(とがく)」と呼ぶことが業界のごく一部にあり、なれば図書館学をト学として再興でけんかと、悪辣にも陰謀をめぐらしとる次第ぢゃ( ・∀・)アヒャ >たわけた執筆予告 さういへば、ごく初期の頃(20
東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2012/6/27現在) 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況について,『カレントアウェアネス-E』での既報に続き,2012年3月下旬から6月下旬にかけての主な情報をまとめた(E1155,E1161,E1166,E1172,E1177,E1205,E1222,E1248,E1263,E1274参照)。 ●震災からの1年間を振り返る報告書等 2012年3月末,国立国会図書館(NDL)が調査研究リポート『東日本大震災と図書館』を刊行した(E1283参照)。4月には,国立公文書館が2011年度の東日本大震災被災公文書等修復支援事業の報告書を公表した。 雑誌等では,『大学図書館研究』2012年3月号が小特集「東日本大震災と大学図書館」,文化庁の『月刊文化財』2012年4月号が特集「東日本大震災から1年を経過して」を組んでいる。『国立国会図書館月報』2012年6
2012年著作権法改正:図書館・公文書館の関係規定について 2012年6月20日,政府提出の著作権法一部改正法(E1280参照)が,参議院本会議で可決され,成立した。 この法律は,大きく分けて,(1)いわゆる「写り込み」等に係る規定の整備,(2)国立国会図書館(NDL)による図書館資料の自動公衆送信に係る規定の整備,(3)公文書館等の管理に関する法律等に基づく利用に係る規定の整備,(4)著作権等の技術的保護手段に係る規定の整備,の4つに加え,衆議院の審議段階で加わった(5)いわゆる「違法ダウンロードの刑罰化」の5つから構成される。本稿では,紙幅の関係で,これら改正事項の中のうち,図書館や公文書館に関係する規定である(2)と(3)について解説する。 (2)は,NDLが作成した膨大なデジタル化資料のうち,「絶版等資料」に限り,公共図書館や大学図書館等に対して,そのデジタルデータを送信するととも
■中世ヨーロッパを生き抜いた青春群像が今、よみがえる 著者は古典ともいうべきロングセラー、『中世の秋』の名訳で知られる。西洋史学界の泰斗だけに、本書は熟成したワインのような芳香を放つエッセーとなっている。スイスの修道院に伝わる平面図に描かれた水車にはじまり、ドン・キホーテへと筆をすすめ、風車の発明へ、さらにはブリューゲルの作品へと著者は中世ヨーロッパを縦横無尽に歩みつつ、のびのびとした筆致で人間たちを紹介する。挿図篇(へん)60ページなどもふくめて550ページを超える大著にもかかわらず一気に読ませるのは、丹念な考証に加えて豊かな想像力が感じられるからだ。 第I部は、アベラールとエロイーズの恋の道行き、聖女ジャンヌ・ダルクなど、歴史の舞台を彩る青春群像を描き出す。第II部では、一人の放浪学生の詩作を丹念な考証を通じて今の時代によみがえらせる。著者が浮き彫りにした若者こそは、中世ヨーロッパの青
→紀伊國屋書店で購入 電子書籍のパイオニアであり「Mr.電子書籍」の異名のあるボイジャーの萩野正昭氏の半生記である。 はじめにお断りしておくが、本書は Kindleがどうのこうのとか、電子書籍の未来がどうなるといった話題をテーマとした本ではなく、そうした関心で手にとるがっかりすると思う。しかし電子書籍の黎明期と舞台裏に興味のある人にはきわめつき面白い本である。 パソコン業界は歴史が新しいのでいろいろな経歴の人が流れこんでいるが、萩野氏は映画畑の出身だった。最初に就職したのは東映教育映画だったが、当時の映画業界は衰退の坂を転げ落ちていた時期だったので正社員の採用はなく、萩野氏も「臨時の日雇」という不安定な身分だった。 教育映画を作る下調べに博物館の記録映像を見る機会が多かったが、未編集の映像が思いのほか面白く、編集してドラマを作り上げる手法に疑問をもつようになったという。 後の電子書籍を予感
ポイント・級数・mm換算表 † 文字の大きさの単位として、DTPでは1/72インチが1ポイント(1ポイント=0.3528mm)の単位を、写真植字ではQ(級)数(1Q=0.25mm)の単位が使われています。 ↑
鈴鹿医療科学大学学長、元国立大学財務・経営センター理事長、元三重大学学長の「つぶやき」と「ぼやき」のblog 今年度から、私は内閣府総合科学技術会議の「基礎研究および人育成部会」という会議の委員として出席をしているのですが、その会議で配られた資料には、日本の学術論文数が減少していること、そして、若手教員(研究者)の比率が減っていることを含め、たくさんの日本の研究機能についての分析データが示されていました。 日本の若手研究者の減少については、以前のブログでもご紹介したように、最も有名な科学誌の一つであるNature誌の3月20日号にも記事が掲載されていましたね。http://www.nature.com/news/numbers-of-young-scientists-declining-in-japan-1.10254 そして、資料の中で私が目を留めたのは、エルゼビア(Elsevier)社
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