出版業界で静かに潜行し続けて数か月、いま少し水面に顔を上げようと思いつつ、首をくきくきと左右にひねり、肩のあたりをもみほぐしながら、ご依頼の「版元日誌」を書いている。 思えば、友朋堂書店3店舗が閉店したのは2016年2月12日。 書店の入口に閉店を知らせる手書きの紙が突如張り出された。 私は、連休前の2月8日に友朋堂各店を営業し、店長たちと「春からゴールデンウイークにかけての企画」について打合せをした。そして営業から帰った直後、ネットで「太洋社自主廃業」のニュースを知り、友朋堂書店のTさんに「だいじょうぶ?」のメッセージを送付。もやもやしたまま、休日の2月11日、twitterで「友朋堂書店閉店」の情報を知った。まさに「寝耳に水」だった。おそらく書店員全員、あるいは社長にとっても「晴天の霹靂」だったに違いない。 茨城県つくば市は人口20万強、人口の割に書店数は多い。しかも、全国展開するチェ