出版から72年目の奇跡 名作の“その後”の物語 1943年に出版されて以来、270以上の言語・方言に訳され、1億4500万部以上を売り上げてきたサン=テグジュペリ不朽の名作「星の王子さま」。砂漠に不時着した飛行士と、小惑星からやって来た小さな王子との出会いと別れをつづったその物語は、世界中の人々に長く愛されつづけてきた。時代を超え、文化の差も超えて読む者の共感を呼ぶのは、そこにある普遍的なメッセージ。平易な言葉で語られるそのメッセージは、読むたびに新たな解釈を生み、どこまでも深く読む人の心をつかんで離さない。 「星の王子さま」は、世界中のアーティストや作家たちからも愛される作品である。アニメーション監督の宮崎駿も、自身の推薦書50冊リストに「星の王子さま」を挙げている(岩波新書「本へのとびら」)。これまでオーソン・ウェルズやウォルト・ディズニーといった伝説的なアーティストたちが映画化を試み