ゼロ年代もっとも重要なテレビドラマ脚本家のひとりを挙げよ、と言われればまっさきに僕は木皿泉を挙げるだろう。 木皿泉は『すいか』(03年)、『野ブタをプロデュース。』(05年)、『セクシーボイスアンドロボ』(07年)、そして『Q10』(10年)と寡作ながら心に深く残る作品を生み出した。しかし、その重要さの割に、彼らはメディアで大きく取り上げられることは少ない。三谷幸喜、宮藤官九郎、大根仁、岡田惠和ら同時代の脚本家と比べるとそれは明らかだ。 そこで、数少ない彼らが登場した紙メディアをざっくりと紹介したい。 二人の木皿泉---『AERA 2010年10月25日号』 木皿泉は和泉務(いずみつとむ=通称:大福)と妻鹿年季子(めがときこ=通称:かっぱ)の夫婦による2人1組の脚本家である。(なお、当エントリーの呼称は、引用部分を除いて、現在使用されている通称=大福とかっぱに統一します。) その数奇な経歴