アイドルグループ「NEWS」に所属する作家の加藤シゲアキさんが、最新作の長編小説「なれのはて」(講談社)を出版した。太平洋戦争の終戦前夜、秋田を襲った日本最後の一つとされる空襲の悲劇が物語の重要な鍵を握る。秋田は加藤さんのルーツでもあり、執筆に宿命を感じたという。 主人公はイベント事業を手掛ける東京のテレビ局社員。展覧会を開くため、ある無名画家の正体を探るうちに、秋田の石油産業でのし上がった一族の秘密に迫るミステリー小説だ。構想から約3年をかけ、原稿用紙740枚超の大作に仕上げた。 主舞台は秋田。加藤さんの母親の出身地だ。「(自分自身が)物語に深く没入するため」に秋田を選んだといい、構想を練る過程で知ったのが、秋田市土崎の製油所が狙われた土崎空襲だった。 1945年8月14日。午後10時半ごろから翌未明にかけて約4時間にわたり、土崎地区は約1万2千発の爆弾が投下され、激しい空襲を受けた。米