NHKで放送中の連続ドラマ小説『虎に翼』。第1話の冒頭「すべて国民は、法の下に平等」という日本国憲法第14条のナレーションから始まる本作。戦争孤児、女性蔑視、選択的夫婦別姓、同性婚など社会のあらゆる問題が丁寧に描かれている。また、主人公・猪爪寅子(伊藤沙莉)をはじめとする魅力的な登場人物が成長していく姿も相まって、あらゆる層から共感を呼び放送当初から話題を集めている。 本作には考証として、法律考証、裁判所考証、朝鮮文化考証など、本作内で扱うあらゆる事象に対して、その道の専門家が制作に携わっている。考証担当の存在も本作の評判を高めるうえで、大きな役割を果たしていることは間違い無いはずだ。 そこで今回は、そのなかでも「ジェンダー・セクシュアリティ考証」を務める、福島大学・前川直哉准教授に話を伺った。ジェンダー・セクシュアリティ考証の具体的な仕事とは、考証が入ることでどのような役割を作品にもたら