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短編小説の集いの検索結果81 - 120 件 / 161件

  • 「第十四回 短編小説の集い」感想集 - 今日の十分日記

    孤独のグルメのDVDを奪い合っているまさりんです。 「孤独のグルメ」は現在シーズン5をやっています。その影響か、TSUTAYAのレンタルもないんです。飛び飛びに見ています。といっても、あまり困らないんですけどね。それがあのドラマのいいところです。 さて、今回は先日・・・・・・といっても、かなり時間が経っていますが、締め切りがあった、「第十四回 短編小説の集い」の感想を書いてみました。今回は「私ならこうする」のコーナーを設けてみました。少数精鋭なので、ちょっと知恵を絞ってみました。とはいうものの、作品にケチをつけたいというのではありません。いろいろな人からダメな部分の指摘もしていただいています。それは参考になりますし、それをしてみたいとも思うのですが、上手にできるかわからないので、移行措置として、こういう試みをしてみました。失礼なことを書いてあるかもしれませんが、そこは慣れないことなのでご容

      「第十四回 短編小説の集い」感想集 - 今日の十分日記
    • 第十一回短編小説の集い 出品作品「九月一日」。苦労した。 - 今日の十分日記

      やあ、まさりんだよ。 今回も恒例企画「短編小説の集い」に参加します。ぜろすけさん。よろしくお願いします。いつもながらギリギリになってしまってすいません。 novelcluster.hatenablog.jp 「九月一日」 台風一過の涼しい日だった。 郷土史家を目指すことに決めたケンジに付き添って、図書館まで来た。なんでも研究をするうえで重要な史料があるらしく、郷里から車で小一時間は走ったであろうこの地へやって来た。三人は分かれてボクはDVD、シホはキッズコーナーで児童文学を、ケンジは史料を見ていた。はずだった。夢中になって「人形劇三国志」を見ていると、メインカウンターの前を何かを抱えたシホが走り去っていったのが見えた。嫌な予感がしたが、初めは無視した。が、ケンジに呼ばれて、図書館の一番奥にある社会人専用席にやってきた。図書館はまずまずの混み具合で、低い本棚、高い本棚、そして人々を縫うように

        第十一回短編小説の集い 出品作品「九月一日」。苦労した。 - 今日の十分日記
      • 第八回短編小説の集い~感想編 - おのにち

        こんにちはみどりの小野です。 第八回短編小説の集い、参加させて頂きました。 簡単ですが感想も書きました。 作者の思いをきちんと汲み取るのは難しいです。 小説より感想の方がいつも時間かかります…。 (小説たくさん書いてる方だとつい他も読んでしまうので余計時間が! ) それは違うよ!みたいな所もあるかもしれませんが、 あくまでも私が感じたこと、として受け取ってもらえると嬉しいです。 novelcluster.hatenablog.jp まずはこちら。 kannno-itsuki.hatenablog.com 菅野樹さんの、「ひとかりしちろ」。 時代小説です、すごいです。 七朗の矜持と、いずれ緑に覆われる塚と。 こちらも勿論面白かったんですが、その前の「風琴堂覚書 外伝」が面白くて。 過去ログを漁ってしまい気が付けば読者になってました。 外伝弐が気になります。 kagaris.hatenablo

          第八回短編小説の集い~感想編 - おのにち
        • 【第25回】短編小説の集い 投稿作品 『シンクロン』 - ロゴスエモ

          2016 - 11 - 20 【第25回】短編小説の集い 投稿作品 『シンクロン』 小説 西暦2019年1月1日、世界中がハッピーニューイヤーを祝う中、WHOが全世界に向けて、新人類シンクロンの存在が発表された。 遡ること2016年。医学誌で発表された袖狭大学研究チームの研究が全ての始まりだった。寄生虫トキソプラズマの感染により宿主の動物の記憶に障害が生じるという発表から始まった研究により、小児肥満症・拒食症・注意欠陥・多動性障害・自閉症スペクトラム障害・うつ病・双極性障害・統合失調症・パーキンソン病・アルツハイマー病・多発性硬化症などの病気を引き起こすことが証明された。 感染した寄生虫トキソプラズマが脳へと移動し、脳の一部と同化し、脳機能を変異させ、記憶の形成に必要なドーパミンや精神の安定に必要なセロトニンなどの神経伝達物質のバランスを崩すことにより、あらゆる難病を発病させることが判明し

            【第25回】短編小説の集い 投稿作品 『シンクロン』 - ロゴスエモ
          • 雨虫(【第9回】短編小説の集い) - いつかのことです。

            2015-06-30 雨虫(【第9回】短編小説の集い) Tweet 雨が降り出して三日目になった。  朝の番組では、レポーターが緊張した面持ちで実況をしている。 「――えー、JR新橋駅前に来ています。えー、通勤客が多い時間帯なんですが、ご覧ください。人の通りはいつもより若干少ないといった感じでしょうか。皆さんしっかりとレインコートを着込んで雨から身を守っています。いまのところ――」  レポーターも、顔までしっかり覆われたレインコートをしっかりと着込んでいた。まるで原発事故のときに見た防護服のようだ。 「学校はまだ休みなんでしょ」  母がそう言いながら、空になった食器をお茶の入った湯のみに置きかえた。 「うん。連絡あるまでずっと休みだってさ。たぶん雨が止むまで休みでしょ」  ヒロシは湯のみを手に取り返事をした。雨が降った初日の午後からヒロシの通う中学校は休校になっていた。  二人はテレビへと

              雨虫(【第9回】短編小説の集い) - いつかのことです。
            • 「願い桜」(第6回短編小説の集い 参加作) - 空想少年通信

              はじめに 「短編小説の集い のべらっくす」さんの企画に参加再び。 novelcluster.hatenablog.jp 今回は「桜の季節」ということです。卒業とか入学とか桜の森の満開の下とか、いろいろあるんでしょうが、古い桜の樹ってなんか願いを叶えてくれそうだよなあと常々思っているところからの話です。あんまり春関係ないかも(レギュレーション守れよ)。 今回は4000字弱。自分としてはわりと標準的な長さ。飽きる前に書き終わり、飽きる前に読み終わる。 今回は三人称。大丈夫かな。それでは続きを読むからどうぞ。 「願い桜」 市の外れ、高台にあるこの学校には一つ言い伝えがある。 「桜が咲く直前に学校にあるいちばん古い樹に、その年一番最初に願い事をすると叶う」 いつからそんなことになったのか、誰が言い出したのかなんか誰も知らない。部活の試合でレギュラーになる。好きな人に告白する。志望校に合格する。みな

                「願い桜」(第6回短編小説の集い 参加作) - 空想少年通信
              • 【第5回】短編小説の集いに参加してみた - 空想島(6畳半)

                ずっと参加したくて、いつも気がついたら募集期間が過ぎていて参加できなかった、はてなブログ発の短編小説の集い「のべらっくす」というイベントがあるのですが、今回、ついに初心者枠という形で参加させて頂こうと思います。 【第5回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - 短編小説の集い「のべらっくす」 「のべらっくす」とは、テーマに沿って三人称短編小説を書こう。または書かれた小説を読んで感想を書こうという試みです。今回のテーマは2月22日といえば「猫」。猫なんて一度も飼ったことがないですが――全て空想で補った。初心者枠があるそうなので、堂々と初心者枠使わせていただきます。 思いつくがままに書き散らした場面をつなぎ合わせながら書いていて、4800文字くらいあるのでお暇なときに読んでくださると嬉しいです。 『サチのおすそわけ』 サチに初めて出会ったのは、聡が大学生になって人生初の一人暮らしを始めた夜だっ

                  【第5回】短編小説の集いに参加してみた - 空想島(6畳半)
                • 【第28回】短編小説の集いのお知らせと募集要項(※必読) - 短編小説の集い「のべらっくす」

                  世俗のしがらみや承認欲求に疲れた紳士淑女の皆様、ようこそいらっしゃいました。ここでは目の前の純粋な表現だけを追究して楽しみましょう。 ※今回をもってはてなブログでの募集を無期限の休止とします。長い間ありがとうございました。 【企画概要】 短編小説を各ブログにアップしてもらい、このブログでまとめます。その後主催者が総評を行い、参加者同士で任意に自身の作品の振り返りや他の参加者の感想などもまとめていきます。 【企画の目的】 普段より「小説を書いてみたい」と思っている方は多いと思います。しかし「どうやって書いたらいいのかわからない」「下手くそで恥ずかしい」「書いても見せる人がいない」などの理由でチャレンジすることをためらう方もいるのではないでしょうか。この企画ではそんな「書いてみたい」という気持ちをとりあえずぶつける場所を設けることを目的としています。下手でも構いませんし、初めての人は大歓迎です

                    【第28回】短編小説の集いのお知らせと募集要項(※必読) - 短編小説の集い「のべらっくす」
                  • 第六回短編小説の集い 出品作品「秘密の場所」桜の物語です。 - 今日の十分日記

                    めまい解消まさりんです。 先週の月曜日がめまい一〇とすると、今日はほぼ〇です。えがったえがった。 今回は「第六回 短編小説の集い」の出品作品です。はてな文芸部長、よろしくお願いします。 novelcluster.hatenablog.jp これまでの物語 短篇小説を書いてみました。恋愛物です。2 - 池波正太郎をめざして 【第三回】短編小説の集いに参加しました。 - 池波正太郎をめざして 【第四回】短編小説の集いに参加します。 - 池波正太郎をめざして 「第五回 短編小説の集い」出品作品。招き猫の物語。 - 池波正太郎をめざして 「秘密の場所」 一歩踏み込むと目の前が真っ暗になった。湿度も上がり、髪の毛の表面や春用のコートの表地がしめるのが分かった。熊笹や腰高の下草の生い茂る、まさに獣道としか表現しようのない細道をゆく。歩く度に身体をかすめて笹の葉の表面の露がデニムをぬらす。さらさらという

                      第六回短編小説の集い 出品作品「秘密の場所」桜の物語です。 - 今日の十分日記
                    • 『金魚姫』 ~第0回短編小説の集い宣伝~ - 価値のない話

                      2014-09-28 『金魚姫』 ~第0回短編小説の集い宣伝~ 「赤いべべ着た、かわいい金魚」 少女はそこまでしか歌詞を知らない。祖母が昔よく歌っていた歌だった。少女は「赤いべべ」という言葉の響きが好きで覚えていたけれど、「べべ」が何なのかはよくわからなかった。 少女は「おとめ」という名前が昔から気に入らなかった。家で育てている地元の特産の果物の品種ということと、国語教師の父が「由緒ある物語に出てくるから」という理由で付けられた名前に対して「重い」という感想しか持てなかったのだ。 「オトちゃんの名前はやっぱりかっこいいと思うよ」 「おばあちゃんになってもオトメ、なんて嫌だよ」 「でも未歌って名前も平凡で嫌だよ」 「いいじゃん、ミカちゃんは一発で名前を呼んでもらえて」 未歌は少女の幼馴染だった。気が付いたら一緒に育っていたから、彼女がいない日々が考えられない。少女の日常は中学と学校の往復だけ

                        『金魚姫』 ~第0回短編小説の集い宣伝~ - 価値のない話
                      • 第5回短編小説の集いはきもちよい後産でした - nerumae

                        photo by WesleyIG http://novelcluster.hatenablog.jp/entry/2015/03/04/163751 http://novelcluster.hatenablog.jp/entry/2015/03/04/163751 毎度チョー気持よく参加させていただいております短編小説の集いです。 忘れないうちにまずは自分のを振り返りします。 書いた背景 国民的猫型先行者とその作者ひろし君、その作品の背景にこんな一夜があったらおもしろかったKAMONE! というノリのお話です。 お題を20日の朝7時に見て8時くらいにはプロット大筋できて、そこから1〜2度書いて、1日寝かせて校正チェック(誤字脱字がほんとうにひどい)+追記修正、みたいな流れでした。ドラ以外の設定思い浮かばなかったモン。 第0回短歌の目の感想を書き終わった直後の、はじめてのことですごく不安だ

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                        • 【第1回】短編小説の集いに投稿してみたよ - 散るろぐ

                          2014-10-30 【第1回】短編小説の集いに投稿してみたよ ≡≡≡c⌒っ゚Д゚)っ【第1回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - 短編小説の集い「のべらっくす」 作品名「ハロウィンの思い出」 お題「B 写真」 ▼▲▼ 「ね、美咲、ジャックオーランタン作ってよ」千夏が美咲に言った。「ジャックオーランタン?」美咲は始めて聞く単語に戸惑いながら聞き返した。「そう。カボチャくり抜くの」千夏が言った。「わかんないよ」「一色に作り方、聞いてみようか?」千夏は後の席に座っている少年を見ながら言った。「美咲、聞いてきてよ」美咲は一色と呼ばれた少年を見た。美咲が密かに思いを寄せる秀才。「千夏、一色君と同じ中学じゃなかった?」美咲がそう言うと千夏が答えた。「学校では、ほかの子達に知られたくないな。美咲、聞いてきてよ。お願い」口もとに両手をあわせ悪戯っぽい笑顔を向ける千夏に、美咲は仕方なく席を立っ

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                          • 青空スニーカー - 第7回短編小説の集い - このはなブログ

                            「ねえ、人って死んだらどうなるの?」 おやつに出されたいちご大福をうまいうまいと頬張りつつも、リサは最近ずっと気になっていたことを口にした。 「どうなるって?うーん…」 その問いがあまりにも唐突だったので、彼女と一緒にいちご大福を頬張っていた彼女の祖父、勲は答えに窮してしまった。 「死んじゃったらさあ、目も、見えなくなるんでしょ?息もしなくなるでしょ?そしたらさあ、どうなるの?」 「うーん、そうだねえ…」 「わたし、こわいよ。わたしだって、いつか死んじゃうんでしょう?そうしたら、その後はどうなるんだろうって、昨日の夜はそれで泣いてしまったの。」 すがるような目で答えを求めるリサの隣に回り込み、勲は腰を下ろして彼女を抱きよせた。 「死んでしまったらどうなるのか、実はじいちゃんにもよくわからないんだ。」 勲は眉をへの字にして答えた。 「死んだあとも魂は残って新しい命に生まれ変わるなんていう話も

                              青空スニーカー - 第7回短編小説の集い - このはなブログ
                            • 【第0回】短編小説の集い 感想④と、個人的ベスト5 - Fuzzy Logic

                              2014-10-13 【第0回】短編小説の集い 感想④と、個人的ベスト5 雑記 これでラスト。【第0回】短編小説の集い 投稿作品一覧 - Novel Cluster 's on the Star! 【第0回】短編小説の集い 投稿作品一覧 - Novel Cluster 's on the Star! 37.プラスチック・アップル ミステリまで来るとは思っていませんでした。規定の5000字は超過しているようですが、この容量でこの挑戦はもっと評価されるべき。謎解き部分のみでもその辺りのスリル感は表現できていたように思います。 38.紅玉林檎ジャム 独特の味のある文章で、読みごたえありましたね。異界の雰囲気が出てたと思います。主催のぜろすけさんも読点の多さを指摘されてましたが、ぼくも同様の感想を持ちました。これは書き手さんのリズムにもよると思うので何とも言えないんですが、基本的には音読した

                              • クリスマスはチョコレートケーキで。 ー【第3回】短編小説の集い ー - このはなブログ

                                真っ黒な12月の空から冷たい雨がしとしとと降り出した。 恭介はポケットに手をつっこみ、顔をコートの襟に埋めながら、「うーさみい。」と白い息を吐いて呻いた。 頭の中には先ほど訪れた飲み屋で流れていたクリスマスソングがぐるぐると回っている。 男性客ばかりが集まるあんなくたびれた場所でクリスマスソングを流す意味もよく分からなかったが、こんな日に雨の中一人きりでプラプラと歩く今の自分には、あの悲しげな曲がピッタリと当てはまるような気がして、半分自虐的な気持ちでその曲を口ずさんだ。 この雨ももうじき雪に変わるのだろうか。 「いい歌ですよねぇ。」 突然後ろから声がしたので振り返ってみると、そこには4足歩行の角の生えた動物が恭介の後を追うようにして歩いていた。 恭介はギョッとして立ち止まったが、そんなことはお構いなしといった様子でそれは喋り続ける。 「この雨も雪に変わるんですかねぇ。」 果たしてこれはど

                                  クリスマスはチョコレートケーキで。 ー【第3回】短編小説の集い ー - このはなブログ
                                • 【第5回】短編小説の集い 投稿作品一覧 - 短編小説の集い「のべらっくす」

                                  おはようこんにちはこんばんは。生きとし生けるものに等しく安らかな救済を。そんなこんなでにゃんにゃんにゃんなにゃんにゃん作品集です。基本的に投稿いただいた作品はまとめて一覧に掲載します。そのため「なかなか一覧記事から言及がないなあ」ということなどもございますが、もし更新漏れ等がありましたら遠慮なく主催者に連絡してください。 『猫は「にゃん」と鳴かない』 - うつ病だけど、生きてます 【第5回】短編小説の集い「のべらっくす」(テーマ:猫) - 本の覚書 ねこのした - さらさら録 『サチのおすそわけ』 - 空想島(6畳半) 2/26 追加 猫のいない場所 - マホ、カルチャー 咲いている - 悩みは特にありません。 ライカ・ケイム・バック(第5回短編小説の集い 参加作) - 空想少年通信 2/27 追加 【創作】なまいきジャンクション−第5回短篇小説の集い - nerumae 『イフ』 - バ

                                    【第5回】短編小説の集い 投稿作品一覧 - 短編小説の集い「のべらっくす」
                                  • 【第1回】短編小説の集いの感想 テーマB - おけばの記録

                                    2014-11-04 【第1回】短編小説の集いの感想 テーマB 日記 【第1回】短編小説の集いに投稿された作品の中で、テーマB「写真」で書かれたものについて感想を書く。 作品は、以下の記事から。 <a href="http://novelcluster.hatenablog.jp/entry/2014/10/26/122101" data-mce-href="http://novelcluster.hatenablog.jp/entry/2014/10/26/122101">【第1回】短編小説の集い 投稿作品一覧 - 短編小説の集い「のべらっくす」</a> 【第1回】短編小説の

                                    • じいさんのふるぼけた家(第5回短編小説の集い) - ライティング・ハイ

                                      2015-02-27 じいさんのふるぼけた家(第5回短編小説の集い) 創作 猫は人間に対する意見を持っている。ほとんど何も言わないが、全部を聞かないほうがいいのは確かである。 ―ジェローム・K・ジェローム / 俺には馴染みの家があった。新しいものばかりになってしまった町から少し離れた河川敷のほど近く、ぽつんと建っている古ぼけた小さな家だ。最近の新築にはねずみが入り込む隙間が無いのに、その家には今でもねずみがわんさか住み着いていて非常に好ましい環境だ。しかも町から離れている分ライバルとの競合も少ない。単独行動が常で長距離移動を苦にせず、狩りの能力の高い俺としてはやりたい放題の環境なのだ。 唯一問題があるとすれば、そこに住んでいるじいさんだ。じいさんはかなり気分屋で、そのせいなのかは知らないが、俺の知る限りずっと一人で暮らしている。機嫌の良い日はいいが、まずい日は俺を一目見ただけで奇声を発し

                                        じいさんのふるぼけた家(第5回短編小説の集い) - ライティング・ハイ
                                      • 【第1回】短編小説の集い参加します! 題名:『おばあさんの思い出』 お題:写真 - 読書録 本読みの貪欲

                                        【第0回】短編小説の集いに参加させて頂き、思いのほか小説っぽいものを書くことが楽しかったので、今回も参加させて頂きます。 テーマは「B 写真」です。4637字。 よろしくお願いします。 『おばあさんの思い出』 恵美子の思い出の中にはいつもおばあさんの姿がありました。幼いころ近所の公園に連れて行ってくれたのはおばあさんでしたし、友達が遊びに来た時にお菓子を出してくれたのも、遠足のお弁当を作ってくれたのもおばあさんでした。 「ただいま」 恵美子が中学校から帰ると、いつものようにおばあさんは台所に立っていました。 「恵美ちゃん、おかえり。学校はどうだった?」 「いつもどおりだよ」 共働きの両親に代わり、掃除をし、食事を作るのがおばあさんの仕事です。おばあさんは白菜を洗いながら恵美子に話しかけます。恵美子は鞄を置き、制服のリボンをはずしながらおばあさんに答えます。 「算数のテストが返ってきたんだろ

                                          【第1回】短編小説の集い参加します! 題名:『おばあさんの思い出』 お題:写真 - 読書録 本読みの貪欲
                                        • 【第0回】短編小説の集いに応募しました! - cild'o'blog

                                          2014-10-02 【第0回】短編小説の集いに応募しました! ≡≡≡c⌒っ゚Д゚)っ【第0回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - Novel Cluster 's on the Star! 『リンゴナルド』 長かった。まる一ヶ月、うんざりした気分で仕事をしていた。先月半ばには、仕事を辞める旨を、会社に伝えたが、人員の確保もあるから、最低でも来月いっぱいまで居てくれと言われた。桐生は、苦痛だった。仲が良いと思っていた職場の連中も、もう辞める人だから、という感じで距離をとっていた。それも今日で終わる。待ち望んだ月末を迎え、あと数時間でこの苦行から解放される。「桐生、おまえ今日までなのか」マクドナルドの紙袋をさげた松岡が、桐生に話しかけた。「ええ、まあ」「辞めてもまだ仕事する気ないんだろ?」「ええ、もう少し勉強したくて」桐生は冷めた目で答えた。勉強はむろん口実だ。しかし、そうでも言わな

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                                          • 【第3回】短編小説の集い 投稿作品一覧 - 短編小説の集い「のべらっくす」

                                            どうも、主催者です。猛烈に寒くなってきていますが皆さんお風邪など召されていないでしょうか。今回もこちらの記事でまとめを行っていきます。作品の追加は原則1日1回となりますのでよろしくお願いします。 また、「記事言及したのに掲載されていない!」という方がいらっしゃいましたら更新お知らせ用Twitterアカウントかコメント欄にて連絡をいただければ対応致します。 山羊と流れる星のこと - メンヘラだけど、生きてます 忘年のイクシーオーン ― 【第3回】短編小説の集い 参加作品 - ごくまトリックス サンタの忘れもの - 金田んち 12/23 追加 「ゆきやこんこ」 第3回 短編小説の集い「のべらっくす」 - 日々我れ クリスマスはチョコレートケーキで。 ー【第3回】短編小説の集い ー - このはなブログ 12/24 追加 のべらっくす【第3回】短編小説の集い サンタさんが「パーン」する! - ファ

                                              【第3回】短編小説の集い 投稿作品一覧 - 短編小説の集い「のべらっくす」
                                            • 【第7回】短編小説の集い 投稿作品一覧 - 短編小説の集い「のべらっくす」

                                              だんだんと夏の陽気に近づいてまいりましたこの頃、みなさんお元気でしょうか。それでは今回の作品一覧です。 novelcluster.hatenablog.jp lfk.hatenablog.com kannno-itsuki.hatenablog.com zuisho.hatenadiary.jp donutno.hatenablog.com 4/27 追加 tsubuyaki.hateblo.jp 4/28 追加 donutno.hatenablog.com www.drinkerlife.com yama-aki1025.hatenablog.com bambi-eco1020.hatenablog.com 4/30 追加 yutoma233.hatenablog.com sakuramizuki20.hatenablog.com jammioe.hatenablog.com pulul

                                                【第7回】短編小説の集い 投稿作品一覧 - 短編小説の集い「のべらっくす」
                                              • 第十一回短編小説の集い 感想集 テーマは祭りでした。 - 今日の十分日記

                                                朝のゴールデンタイムを有効利用しているまさりんです。 朝起きてから三〇分をそう呼ぶのだそうです。最後のゼロスケさんの作品を拝読している最中に、心地よく眠りの世界に入ってしまいました。だから、起きてカロリーメイトで朝食をとり、とにかく感想を書き上げました。それでは行ってみましょう。 とその前に、これは9月12日に書いています。鬼怒川近辺では台風による大雨で大きな被害が出ています。また他の地域でも同様に苦労されている方もいると思います。お見舞い申し上げます。 novelcluster.hatenablog.jp 今回の作品群を読むと多くの方が、「喪失感」と「リンゴ飴」を共通のモチーフとして使っていたと思います。「リンゴ飴」は置きます(^_^;) 「喪失感」は面白かった。やはり、いつしか終わってしまう、祭りの宿命からか、喪失感を描こうという気分になるのですね。拙作もちょっとそういうところがありま

                                                  第十一回短編小説の集い 感想集 テーマは祭りでした。 - 今日の十分日記
                                                • 【感想】第5回短編小説の集い - ちーさんのイイネあつめ

                                                  ずいぶん遅ればせながらですが、今回も前回に引き続き、感想いっきまーす! テーマが猫なので猫祭り。いやぁ、楽しい(にゃんにゃん) 【第5回】短編小説の集い 投稿作品一覧 - 短編小説の集い「のべらっくす」 『猫は「にゃん」と鳴かない』 - うつ病だけど、生きてます どこでボタンを掛け間違えたのか、な男女の物語。 あすかとともくんの気持ちのぶつけ合いみたいな細切れの描写が、 いいリアル感をかもしてました。 もうちょっとあすかが猫キャラだったらよかったのに、というのが個人的意見。 暴力受け入れる姿は、気まぐれながら、どちらかというと犬のイメージでした。 飼い主に噛み付く犬的な。 【第5回】短編小説の集い「のべらっくす」(テーマ:猫) - 本の覚書 猫切寺という異名を持つお寺にまつわる物語。 設定とか漢字の当て字とかが、こんなんホントにありそう、 と思えて面白かったです。 オチがちょっとよくわから

                                                    【感想】第5回短編小説の集い - ちーさんのイイネあつめ
                                                  • 【第10回】短編小説の集い とりまとめ - 短編小説の集い「のべらっくす」

                                                    お待たせしました、とりまとめ記事です。今月は作品が集まらなくてヒヤヒヤしましたが、みなさんのおかげで何とか開催することが出来ました、ありがとうございます。 novels.hatenadiary.com 旅の途中で甘言に振り回されてしまった女性の話ですね。随分と前から「主に海外旅行に行って女性が消える」という類の話は「試着室」「肉達磨」という形で繰り返されてきました。そこに「承認欲求を求める女性」という視点を入れたのは新しいかもしれません。最近では「私は必要とされている」を求めてこういう世界に自ら飛び込む女性もいるかもしれないですね。しかも、この主人公の勘違いしている感じがなかなかありそうで面白かったです。もっと不気味さやおどろおどろしさを求めるならば、最後の段落を切ってしまって「果たしてこの後はどうなるでしょうか」と読者に想像の余地を残すことも面白いかと思います。 literary-ace

                                                      【第10回】短編小説の集い とりまとめ - 短編小説の集い「のべらっくす」
                                                    • 短編小説の集い「のべらっくす」特別企画【なつやすみの宿題 57577】参加作品 - 片道書簡→

                                                      novelcluster.hatenablog.jp 夕立や 駆け込む中央階段の 濡れる白シャツ目も吸いついて クーラーのエコ設定に火照る顔 君と居並ぶ図書館の隅 ソーダ水 はじける泡が呼び起こす くちびるついばむ 君の感触 おちないで つぶやく君の裾割れて 線香花火は爆ぜ燃え盛る 花火咲き 酔ったふりして耳打ちす 大丈夫だよ 帯結べるから 蚊に刺され赤くふくらむこの痕が キミノアトなら良かったのに ひぐらしの声聞き指を数え折る 君に会えない休みの終わり 記事を書いているのはこんな人です。 タイトルクリックで詳しいプロフィールページに移動します。 shiba-fu.hatenablog.com にほんブログ村

                                                      • 【第4回】短編小説の集い 投稿作品一覧 - 短編小説の集い「のべらっくす」

                                                        おまっとさんでした。はてな密着系創作型エンタテイメントの主催者です。みなさんじゃんじゃん書いてくださるよう祈りを込めて、今回の作品一覧です。 ※記事編集中に不具合が発生したため、締め切り後一時的に記事を非公開にしていました。現在不具合は修正してあります。 甘党 - OK 余裕 粉 ― 【第4回】短編小説の集い 投稿作品 - ごくまトリックス 甘い誘惑 -第4回短編小説のつどい- - このはなブログ 1月29日追加 【創作】ごはんの時間−第4回短編小説の集い - nerumae 夢の一日 - 美の特攻隊 『ざらざら』 - バンビのあくび 『甘やかな蜘蛛の糸』 - さよならだけが人生なんです ※id:Lexotan_noixさん失礼いたしました! 【のべらっくす】お腹に落し物 - 野良猫の午後 ※id:Kazupinnさんすみませんでした! 1月30日追加 ルイスのチョコレート - 金田んち

                                                          【第4回】短編小説の集い 投稿作品一覧 - 短編小説の集い「のべらっくす」
                                                        • のべらっくす【第6回】短編小説の集い サクラの散る日 - ファンタジー頭へようこそ!

                                                          何とか仕上げました。 のべらっくす【第6回】短編小説の集い、テーマは「桜の季節」 novelcluster.hatenablog.jp 少しだけエロいです。そして字数500字程オーバー 。 もっと推敲したかったけど、残念。 サクラの散る日 列車の窓から見える風景が、だんだんと緑が深くなっていく。 雄一郎はそんな緑を目で追いながら一つ大きくため息をついた。 彼是、十数年はたつだろう。 学問という言い訳をこしらえて、彼は少年期を過ぎると早々に家を離れた。都会から半日はかかる田舎。その距離を言い訳にして、彼が実家に足を踏み入れることはなかった。 出来ることならば永遠に家には戻りたくはない。 彼の心中はそればかりだったが、今度ばかりは戻らない訳にはいかなかった。 気丈で頑健なあの父が病で倒れたと言う連絡が入ったのだ。 雄一郎は幼いころ身体が弱く、近所の子どもたちとの遊びも喧嘩も好まず、それから逃げ

                                                            のべらっくす【第6回】短編小説の集い サクラの散る日 - ファンタジー頭へようこそ!
                                                          • 菩薩桜 ― 【第6回】短編小説の集い 投稿作品 - 心は空気で出来ている

                                                            novelcluster.hatenablog.jp 最初、上のリンク先を間違えて投稿しちゃったけど、直してる間に日付跨いだかな。一応、この記事の投稿時間は ”2015/3/31 23:58:43” になってますけど。どうなんでしょう。 『菩薩桜』 村の共同墓地の一角に、大きな桜の樹が立っている。幹の周囲は、大人2人が両手を回してやっと届くかどうかという太さである。その厳かな佇まいが先祖の墓を見守る姿から、村人たちはその桜を、親畏敬と親しみを込めて『菩薩さん』と呼んだ。 佐兵衛は村で評判の働き者で、今は亡き両親の遺した田畑をひとりで守っていた。村の世話焼きたちは、なんとかして佐兵衛に嫁を娶らせようとあれこれ策を講じたが、次から次へ舞い込む縁談を、佐兵衛はのらりくらりとかわし続けた。 毎朝、両親の墓を手入れし、菩薩桜に手を合わせて仕事に行くのが佐兵衛の日課である。寒さが遠のき、鶯の幼い声も聞

                                                              菩薩桜 ― 【第6回】短編小説の集い 投稿作品 - 心は空気で出来ている
                                                            • 第十五回 短編小説の集いの感想を書きました。 - 今日の十分日記

                                                              まさりんです。 今回は「短編小説の集い」の感想を書こうと思っています。今回は・・・・・・、寂しいですね。三作のみ。みなさん、お忙しいのでしょう。気を取り直しましょう。今回はアドバイスは書きません。 karasawa-a.hatenablog.com からさわさん 「おせちの記憶」 年末年始は母方の実家で過ごすことが多かったのですが、おせちはどうしてたんだろうな。たぶん、母の兄嫁である叔母が準備していたのだと思います。ただ、年末決まって二八日に、餅つきをして、食べきれないくらい餅を作ります。そういう年末年始の準備や風景がずっとフィードバックします。そんないい文章だと思います。 「過去」がテーマなのですが、未来から見た過去である「現在」を描くというモチーフがおもしろいと思います。「この主人公はどうして細胞凍結させられたのか」が、語られていません。この辺りを掘り下げていくと、中編くらいかける広が

                                                                第十五回 短編小説の集いの感想を書きました。 - 今日の十分日記
                                                              • 【第4回】短編小説の集い - 散るろぐ

                                                                2015-02-01 【第4回】短編小説の集い 【第4回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - 短編小説の集い「のべらっくす」またタイムオーバーしちゃったよ…。余裕で間に合うと思ったんだけどな。僕は締め切りに弱いんだろうね。幼少期から決められた時間を守れた試しがないんだ。でも、せっかく書いたからアップしとこっと。 ワーキングプア 空はどんよりと重く、肌を切るように冷たい風に雪が舞っていた。かじかむ手を丸めて息を吹きかけ、スクーターのエンジンをかける。こんな日に働きに出なければならないとは。桐生の気持ちは重く沈んでいた。アフィリエイトで生きていく。そう決意して会社を辞めた半年まえ。しかしろくに稼げないまま貯金は底をつきかけていた。先月の家賃を支払った桐生は、その足で書店へ向かいアルバイト情報誌を手にとった。タクシーとデイケアサービスの求人があふれる誌面から皿洗いのバイトを見つけて応募した。

                                                                  【第4回】短編小説の集い - 散るろぐ
                                                                • 第9回 短編小説の集い参加作品 「雨宿り」 - 菅野樹のよもやま

                                                                  2015-06-20 第9回 短編小説の集い参加作品 「雨宿り」 【第9回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - 短編小説の集い「のべらっくす」こんにちは。何時もお読みいただき、ありがとうございます。 暑くなったり少し冷えたり。梅雨はもうすぐあけるんでしょうか? 今回は、過去作品を少し手直ししました、 少し短めのお話です。 「雨宿り」 下町の紫陽花がそろそろ花を開こうとしている。江戸の町にも、梅雨前のどんよりとした雲が広がり始めていた。繁華な町でも、雨が降れば足元は泥田のようにぬかるんでしまう。 「お前さんに頼んでおくと、間違いないねぇ」 日本橋の、薬種屋太田屋の主人が真っ白な美しい壁の前で、溜息をついた。仕事をやった、左官職人の卯吉は、にこりともせず、頭を下げる。年の頃は三十ばかり。火事の多い江戸で、大工と左官は人気の商売だ。卯吉は若いが腕がいいと、贔屓が多い。 「お代は手代に届けさせ

                                                                    第9回 短編小説の集い参加作品 「雨宿り」 - 菅野樹のよもやま
                                                                  • 「第九回短編小説の集い」感想集 - 今日の十分日記

                                                                    まさりんです。 いつものように、「第九回 短編小説の集い」の感想を書きたいと思います。今回はすごく遅くなってしまって申し訳ありません。ゼロスケサン、今回もよろしくお願いします。 novelcluster.hatenablog.jp kannno-itsuki.hatenablog.com 「雨宿り」 さすがにうまいなあ。今回は、前段というより、これできちんと完結しています。 書くのも野暮ですが。「砧」という謡が作中に出てきます。能の演目です。「砧」は同じく、男を待つ妻の話で、妻は砧を打って待っているのですが、待ちくたびれて死んでしまいます。砧とは衣板のことで、木の道具で服をうって柔らかくする作業です。というより、男が心変わりしたのだと、誤解して死ぬのです。実は、芦屋に住んでいる男は訴訟のために、都にいっているのです。今も裁判はとても時間がかかる作業ですが、このころも同じです。もっといってし

                                                                      「第九回短編小説の集い」感想集 - 今日の十分日記
                                                                    • 『女子校生三人が鴨川で花見』/ 第6回短編小説の集い - お天気ぶらぶら

                                                                      企画に参加させてもらいます: 【第6回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - 短編小説の集い「のべらっくす」 『女子校生三人が鴨川で花見』 ナオは小学生や小さい子供にはたいそう優しかったが、自分より年上の大学生とか、社会人とか、老人に対しては全く敬意がなかった。今日も色々な世代の皆が花見をしている鴨川で、酔っ払った大学生を見つけてはおしりを蹴ったり彼らのおつまみを奪ったりしていた。もちろん悪戯をされた側も反撃しないわけはなく、お昼の2時を過ぎた頃にはケチョンケチョンにやられて、木陰で橙子(とうこ)に膝枕で介抱されていると言う有り様だった。 「世界がサクラ色だわ」 「それあなた目尻が切れて血が出てるのよ」 彼女らは朝の九時半から花見をしに鴨川へ集まって三人で酒盛りをしていた。三人というのは同じ学校に通っている三人で、橙子とナオ、そしてミッチーこと美奈。ミッチーは30分以上前から二人の後ろで

                                                                        『女子校生三人が鴨川で花見』/ 第6回短編小説の集い - お天気ぶらぶら
                                                                      • 忘年のイクシーオーン ― 【第3回】短編小説の集い 参加作品 - 心は空気で出来ている

                                                                        第2回は気がついたら終わっていたので、今回は少し早目に投稿しますよ。 【第3回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - 短編小説の集い「のべらっくす」 「忘年のイクシーオーン」 今年の年末はことに寒い。数年に一度の寒波が押し寄せているとかで、全国的に天候は大荒れだ。マモルの住む地域はそれほど雪が降らないのだが、今年は例外らしい。 マモルは寒いのが苦手である。苦手を通り越して、憎んですらいる。幼いころ、これまた例外的な大雪のせいで道に迷い、死にかけたことがある。本当に死にかけたかどうかは問題ではない。マモルにとっては死にそうな事件だったのだ。近所の神社の本殿にもぐり込んで、雪をしのぎながらガタガタ震えていたのを覚えている。 いっそのこと、暖かい地方に引っ越そうかとも考えたが、実家暮らしに甘えて大した貯金もなく、これといった資格も持たないマモルには難しい話だった。この季節になると、来年からはし

                                                                          忘年のイクシーオーン ― 【第3回】短編小説の集い 参加作品 - 心は空気で出来ている
                                                                        • 卒業 —【第6回】短編小説の集い— - 書くよ。

                                                                          2015-03-29 卒業 —【第6回】短編小説の集い— Tweet 目が覚めたので寝床から這い起きる。リビングに行くと、母は仕事に行った後で、ヘアスプレーの残り香が漂っていた。甘ったるさの混じったざらついた空気が鼻腔を通ると、気持ち悪さに顔が歪む。窓を開け、リビングと併存するキッチンのテーブルに行き、用意された朝食を確認する——大抵は目玉焼きか卵焼きだ。今日は目玉焼きにベーコンがついていた——。コンロに置かれたままの鍋に火を掛けてみそ汁を温め、茶碗に炊飯器のご飯をよそう。  ヒロシが高校を卒業してから二年間。いつもと変わらない朝だった。  テレビをつけると、お天気お姉さんが桜の開花予想を伝えていた。日本気象協会の第三回開花予想が発表されたそうだ。それによると、ヒロシの住んでいる地域は三月二十六日から三十日の開花となっていた。 ◇◇◇◇ その日の正午過ぎだった。  日課となっているブラウザ

                                                                            卒業 —【第6回】短編小説の集い— - 書くよ。
                                                                          • 【第21回】短編小説の集い「時計」 総評 - 短編小説の集い「のべらっくす」

                                                                            大変お待たせしました。今月の総評です。 〇「時計」というお題は面白かったと開催後に思った。4作品のうち3作品が無生物、あるいは人間以外のものが中心となって「時」についての物語を進めている。「時」や「時計」というものは人間が作り出して、人間の都合で人間が動かされている不可視のシステムであることが浮き彫りになったようで、非常に興味深いことだと感じた。 〇シンデレラが画期的な童話だったという話を教科書で読んだことがある。「午前0時」という明確な時間が登場する童話はそれまでにないもので、機械産業が活発になってきて人工の時間が必要になったから生み出されたものだと言う話だったような気がする。確かに現代の日本において「お日様が昇ったら起きて、沈んだら寝る」という生活は出来ない。どこまでも人間の行動を縛っているのは昼夜ではなく、人間の作り出した「時」という区分だ。仕事は午後5時で終えなければならない、子供

                                                                              【第21回】短編小説の集い「時計」 総評 - 短編小説の集い「のべらっくす」
                                                                            • 「第一六回 短編小説の集い」に参加します。課題は「師走」です。タイトルは「居場所」。 - 今日の十分日記

                                                                              こんばんは。まさりんです。 今回も「第一六回 短編小説の集い」に参加します。テーマは「師走」です。 主催者様よろしくお取りはからいを。 novelcluster.hatenablog.jp 「居場所」 「シンイチくん、そっち持って」 いつのまにかオレは家族のようにこの家で遇されるようになった。今は先生の母上様を手伝って、年末のお掃除だ。先生の三人掛けのソファを二人で持ち上げようとした。 「大丈夫ですか」 母上様はとても華奢とはいえないが、お年寄りの女性には違いない。確か小学校の先生をしていたと聞いている。 「農家のぉ、女をぉ、馬鹿にするぅ、なよぉ」二人でソファをずらしながら、力んだ声で言った。ワッショイ、ワッショイ、とかけ声をしているみたいだった。母上様は今は引退して、農家の嫁のみをしていた。 ソファの下に溜まる綿ぼこりを、掃除機で吸い込んだ。 「さすがに本やら資料に手を出しちゃいけないの

                                                                                「第一六回 短編小説の集い」に参加します。課題は「師走」です。タイトルは「居場所」。 - 今日の十分日記
                                                                              • 思い出したら噛み殺して ~短編小説の集い宣伝~ - 無要の葉

                                                                                2015-01-26 思い出したら噛み殺して ~短編小説の集い宣伝~ 短編小説 センター街で初めて出会った彼女はガムをいつも噛んでいた。フーセンガムでもチューイングガムでもなんでも「ガム」というものを常に口に入れていないと落ち着かないと言っていた。歯を磨いた後も歯磨きガムを口に入れていた。特に好んでいたのはフーセンガムで、漫画のキャラクターのようにまん丸のガムフーセンを作るのが上手だった。一度飴玉をあげたら喜んでいたけれど、すぐにバリバリとかみ砕いてしまった。それ以来飴玉はあげていない。 彼女の口にガムが入っていないのは食事の時と、別のモノを咥えているときだけだ。いつも口が動いているけれど、舌遣いはそれほどうまくない。日焼けした肌を蛍光色のチューブトップと茶色く痛んだ髪の毛が隠している。報酬は現金よりもスーパーで買えるフーセンガムひと箱のほうが喜んだ。いろんな意味で守ってあげたくなる子だっ

                                                                                  思い出したら噛み殺して ~短編小説の集い宣伝~ - 無要の葉
                                                                                • 第25回短編小説の集い感想まとめ - 小説をちゃんと書こう

                                                                                  遅くなりましたが、感想書かせて頂きました。 久々に参加した「短編小説の集い」でしたが、書いて終わり、じゃなく皆さんから言及頂けることの楽しさを改めて感じます。 小説は時間が掛かるし孤独な行為だし、完結前に挫折してしまいがち。 誰かの感想を聞いて、それが参考になったり励みになったり、更に書こう!という意欲に繋がるといいですよね。 そんなことを考えながら、皆さんの物語を読ませて頂きました。 novelcluster.hatenablog.jp ------------------------------------------------------ 135.hateblo.jp かわいい!きゅんとしてモゾッとする恋愛小説。 少女漫画の恋の始まるシーンを読んでるような、きゃあああ!と目をふさぎたいけど指の間から見ちゃうような(笑) 『グニグニ、グリグリ』という表現が触感とか軟骨の雰囲気まで伝わ

                                                                                    第25回短編小説の集い感想まとめ - 小説をちゃんと書こう