幹事長をクビにしてやる 6月のある日のこと。自民党幹事長・二階俊博は、日本料理店での食事に同席した配下の議員にボソリとこう呟いた。 「俺はケンカも天ぷらも大好きなんだ。どういう揚げ方をしても変わらない。違うのは(天ぷらのほうが)衣を被っていることくらいだな」 謎かけのような、二階のこの呟きを伝え聞いた他の議員らの間には、ざわざわと動揺が走った。 (二階さんはやはり「やる気」なのか) 自民党幹部の一人がこう解釈する。 「二階は最近、『俺はケンカをしている』と話している。相手は安倍(晋三前総理)と、その一派だ。 安倍の盟友・甘利(明・党税制調査会長)が、二階が発足させた『自由で開かれたインド太平洋』構想の実現を推進する議員連盟に、『(親中派とされる)二階で大丈夫なのか』とケチをつけた。 発言は、『安倍と手下がそう来るなら、ケンカを買って、天ぷらのように喰らってやる』という、二階流の宣戦布告だ」