レジームからみた消費減税論 2016年1月以降の金融市場、経済の不安定化を受けて消費減税の議論が浮上している。これをどのように捉えるべきであろうか。ここでは田中秀臣・上武大学ビジネス情報学部教授のレジームという分析手法(田中(2013)、注1)を基に検討を行いたい。 要旨 「日本経済を全体としてとらえる視座」は、「この日本経済がどのような体制レジームで運営されているか」が最も重要である。現状は2013年夏に8%への消費増税が決定されて以降一貫してレジームが毀損して、引き締め的な財政政策(税率)と緩和的な金融政策とが対立して「チキン・ゲーム(=レジーム間競争)」が生じている状態にある。消費増税が実施されるかどうかは重要な個別論点ではあるものの、より肝要な全体的な論点は上記のレジーム毀損、「チキン・ゲーム」の状態が解消されるかどうか。消費増税が見送られる=レジームの毀損の回復ではない。日本経済
