昨晩(28日)に行ったUstreamの保存先です。 7月に公開されたジブリ映画『風立ちぬ』の感想を語り合っていました。 ゲスト:伊藤悠さん 伊藤悠さんのHP:指輪世界 3回に分けて保存しています。 第一部 二郎と「心の師匠」であるカプローニの師弟関係、その演出の機微についてなど。 第二部 宮崎駿と庵野秀明の関係や、上司としての黒川、アニメスタジオとしてのジブリの経営話など。 第三部 「男(男の子)の映画」として解釈されやすい傾向に対して、見逃されがちな「女たちの映画」として観る話など。
宮崎駿監督作『風立ちぬ』(公開中)の勢いが止まらない!興行ランキングでは3週連続1位に。しかも、櫻井翔×北川景子出演の人気ドラマの映画化『謎解きはディナーのあとで』(公開中)、ジョニー・デップ出演作『ローン・レンジャー』(公開中)、仮面ライダーの新作『劇場版 仮面ライダーウィザード イン マジックランド』(公開中)という話題作を抑え、V3をマークしたのだ。メガヒットの要因は、宮崎駿のネームバリューと作品自体のクオリティー、荒井由実の主題歌「ひこうき雲」のマッチング度の高さなどが挙げられているが、クチコミ効果とリピーターを続出させる理由は他にも多数ありそうだ。 【写真を見る】瀧本美織が声をあてた菜穂子の可憐さも評判に! そもそも、公開前の会見で、鈴木プロデューサーが、本作が宮崎監督の“遺言”だと発言したり(後に、完成会見で宮崎監督自身がやんわりと否定)、宮崎監督が「自分の作品で泣いたのは初め
宮崎駿氏の最新作『風立ちぬ』を見ました(以降は、ストーリー上の「ネタバレ」に触れている箇所もありますので、気になる方は映画を先にご覧になることをお勧めします)。 まず、零式戦闘機(通称「零戦」)の設計者である堀越二郎については、飛行機への思い一筋に生きた姿がアニメ一筋に生きた宮崎氏自身の生き方と重なって説得力がありました。戦争の問題については、控えめな表現ですが「国を滅ぼしてしまった」「(零戦は)一機も帰って来なかった」という台詞が全てを語っているように思います。 色々な議論が可能と思います。ですが、亡国に至った戦争は否定するが、資源の物量を技術力で補って究極の抑止力を目指した零戦開発の努力までは否定しないという宮崎氏の立場について、私は納得させられたということは申し上げておこうと思います。 ところで、この作品ですが、その堀越二郎の「零戦開発奮闘記」というストーリーに、堀辰雄の小説『風立ち
『風立ちぬ』感想。 宮崎駿監督の「こうあってほしい」といった夢想をこれでもかとブチ込んだ夢想無双ではあると思います。でも、あれもこれも都合良く描かれているわけじゃなく、むしろ、描かれているのは矛盾ばかり。それでも、監督自身が、この物語をどうしようもなく切望しているような筆致は拭えない。といった矛盾のなかをぐるぐるさせられてしまう映画でした。 下級生をいじめる上級生を投げ倒す正義感を持っていたかと思えば妹との約束をうっかり忘れてしまったり、純粋な夢として追い求めている飛行機づくりが戦争に加担することを知っているけれど、そこまで気にかける感性は具わっていなかったりで、とにかく主人公・堀越二郎に掴みどころがないです。庵野監督の無為な声がそれに拍車をかけます。人間味を感じるのだけど何を考えてるのかわからないという矛盾した印象。この印象が映画全体に妙な雰囲気を落とし込んでいるんですが、そもそも登場人
見てきました。土曜日に見て来たんだけど、土曜日は酔いつぶれ、日曜日は選挙で落ち込んだりしていたので、今日の更新となりました。 見ていてじわじわとした感動が続き、映画の後半はもうずーっとウルウル来っぱなしで、涙をこらえるのに苦労しました。先日レ・ミゼラブルで大泣きしてしまったので、今回も泣いたらただの映画見てよく泣くおじさんになってしまい恥ずかしいので、必死で我慢しました。そんな映画です。 そりゃもう、子供が飽きて通路を歩き回ったりしますよ。子供が通路歩いてるのを気にしないぐらい親が見入っちゃうような映画だと思います。はっきり言って子供は見るな!で全然構わないぐらい、大人の人向けのアニメでした。 ちらほらと、ネタバレ感想ブログが上がりつつあるのですが、全然情報を持ってない人は、まず見に行った方が良いと思います。素直に見て、自分の心の中にじわじわこみあげてくるものを感じながら、これからの生き方
ネタバレしてるので未見の方はご注意を。 『風立ちぬ』。まず声。庵野さんの声が非情に良かったです。主役の二郎は少年期の声優さんがとても良かったので、声が切り替わった直後は流石に違和感がありましたが。しかしサバの骨のシーンでは思わずうなりました。 以下、庵野さんの学生時代のエピソードです。 山賀 それでバス停でね。庵野はバスを待ちながら、ライターの火をボーッと見てんですよ。遠くから僕は別の友達とそれを見てたんだけど。友達が宇宙人を観るような目つきで「庵野って気持ち悪いよなぁ」って。「なんでライター持ってんだよ。あいつタバコ吸わねえんじゃないのか」って。 竹熊 ああ、炎の動きを見てたわけだ。 山賀 口の中で何かブツブツ言いながら、炎をずーっと見てるんですよ。で、僕は……変な人を見ると、寄って行って、話をしたくなる性分なんですね。周囲は庵野から遠ざかって行ったんだけど(笑)。「なんで火見てんの?」
『風立ちぬ』を観て一晩たっても、なんだか地に足が着かないような感じでふわふわしている。とんでもないものを観てしまった。 飛行機のエンジン音にはお経の唸り声のような人間の声が使われていて、ぞっとした。二郎という主人公は、人間には許されざる怪物造りに手を染めていると思った。 墜落した飛行機の機体の前に二郎が立ち尽くす場面は、天から落ちてきたロボットの前に立つムスカの姿と重なる。飛行機とラピュタ、人間には許されない夢を見た男のバリエーションである。二郎の幻影や現実の中で何度も何度も墜落を繰り返す飛行機は、ドロドロになって腐り果てる巨神兵だ。 恋愛の場面にはすごく驚いた。 これまでの宮崎映画だと、異性から好意を寄せられても気づきもしないであっさりスルーするとか、少年か少女にほっぺをチュッとされてボッとなるとか、そういうのを描いてお茶を濁して、恋愛面でのロマンチックな部分はひたすら隠し通してきた。そ
日本映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 宮崎駿監督の育った家は、戦争中とても景気のいい家だった。 自動車の個人所有が一般的ではなく、しかも原油不足から民間では木炭自動車が使われていた当時にあって、彼の父はガソリンの自家用車に乗っていた。世間が食糧難で、食べる物が何もない中、宮崎家はおひつでご飯を食べていた。 叔父が社長、父が工場長を務める宮崎航空興学は、軍需産業の一員として飛行機部品を組み立てていた。栃木県の工場には千数百人の工員がいたというから、ちっぽけな町工場ではない。なるほど、裕福な一族だったのだろう。 だが、未熟な女の子たちを臨時工として動員しても、できた翼は規格に合わない。規格に合わなくても、検査官の軍人にポケットマネーを渡せば通ってしまう。 それで特攻隊の青年
小原篤プロフィールバックナンバー会見する(左から)庵野秀明さん、宮崎駿さん、松任谷由実さん=6月24日、東京・東小金井「エヴァンゲリオン」シリーズの監督として知られる庵野秀明さん。宮崎監督の映画「風の谷のナウシカ」(1984年)では原画を担当した 私は今、早く宮崎駿監督の新作「風立ちぬ」についてアレやコレやと書きたくて仕方ないのですが、公開日の20日がまだまだ先なのでネタバレ評など無論できません。仕方ないので、先月24日に宮崎さんが庵野秀明さん(主人公・堀越二郎の声を担当)と松任谷由実さん(主題歌「ひこうき雲」を提供)と一緒に行った会見の、こぼれ話を。 宮崎さんが「自作で泣いた」と告白したことが話題を呼びましたが、ほかにもいろいろ聴きどころの多い会見でした。本欄で既にご紹介した通り、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは本作を「宮崎駿の遺言かも知れない」と言いましたが、会見で宮崎さん
小原篤プロフィールバックナンバー「風立ちぬ」から。二郎少年は飛行機で空をかける夢を見る (C)2013 二馬力・GNDHDDTK「風立ちぬ」のヒロイン菜穂子 「だから『風立ちぬ』は、バカボンのママが好きな男なら全員が好きになる映画なんですよ!」 とある夜、酒杯を交わしつつライバル紙の映画担当記者(女性)にこんなことを力説してしまった私。ようやく公開となった宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」について、今回はヒロインのお話をいたしましょう。あのヒロインは「バカボンのママ」です。いつまでもガキのまんまの男が外でどんなバカなことをしてもボロボロになっても、慈愛のまなざしで迎え入れヒザのぬくもりでいやしてくれる、少女のように純粋で聖母のようにやさしい「バカボンのママ」なのです。あ、ネタバレですからね。 零戦の設計者・堀越二郎の評伝に、堀辰雄の小説「風立ちぬ」を融合させた物語。少年期、飛行機の設計家に
宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」を鑑賞。 大まかにいえば、前半は零戦の設計者である堀越二郎の半生をベースに、 後半は堀辰雄の風立ちぬをベースにして 結核に犯された里見菜穂子とのラブロマンスを描いた作品だった。 また宮崎監督の前作の長編「崖の上のポニョ」では水と海を描いた作品であり 本作では、風と空を描いた作品になっていたのが面白かった。 さらにいえば「風立ちぬ」の水が「ポニョ」を踏まえた表現だったのが技術的に面白かった。 また堀越次郎の顔の骨格が「天空の城ラピュタ」のムスカ大佐と似ていたので、 二郎をムスカの若かりし頃の時代の存在、もしくは生まれ変わりだと思えたので面白かった。 さて全体的に気になったのは、前半の堀越二郎の夢と仕事の物語が 後半では一転したかのようにラブロマンスに変わっていったのが気になった。 そもそもなぜ堀越二郎と堀辰雄という 全く別の二人をモデルにして一人のキャラにまとめ
昨日、封切り初日初回の「風立ちぬ」(宮崎駿監督)を観てきた。宮崎駿が航空機ネタで一本作るとなれば、これは観に行かねばならない。 まだ観ていない人も多いだろうから、ネタバレは避けて自分の見立てを書くならば、「風立ちぬ」は「ゲド戦記」(宮崎吾朗監督)と、今回主役の声も担当した庵野秀明監督の最初の「エヴァンゲリオン劇場版」の、宮崎駿による再話である。そのココロは三本とも監督の内的心情で構成されたプライベートフィルムだということ。 全くお子様向きではないが、大人なら見て損はないと思う。 以下は事前情報ともなりうるので、トップページからはリンクで隠すことにする。 念のため、事前情報回避のための空白を入れておく。 以前、「ゲド戦記」は生煮えのプライベートフィルムだと書いたことがある。その後宮崎吾朗監督は、「コクリコ坂から」で職人的に映画を作る力量があることを示し、生煮えプライベートフィルムの負債を半分
宮崎駿作品の魅力を語ったジョン・ラセター ディズニー / ピクサー最新作の映画『モンスターズ・ユニバーシティ』の公開を記念して、同社のチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)を務めるジョン・ラセターが来日し、大親友だという宮崎駿作品の魅力を語った。 ピクサー最新作の裏側に徹底密着!フォトギャラリー くしくもこの夏は、ディズニー / ピクサーの『モンスターズ・ユニバーシティ』と、スタジオジブリの『風立ちぬ』が同時期に公開。興行面で宮崎監督はピクサーにとってのライバルともいえる存在になったが、ラセターは開口一番「日本はわたしの敬愛する映画監督・宮崎駿さんの住む国です。来日できて、とてもうれしく思います」とあいさつすると、その後もライバル心をのぞかせることはなく、宮崎作品から受けた影響を語った。 ADVERTISEMENT 「宮崎さんの映画にはハートがあり、エモーショナルなものがあり、美しさ
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※当記事に基本ネタバレはありませんのでご安心を(笑 ・光と闇の戦前日本こそ美しい 「風立ちぬ」を公開初日に観た。この作品の中で、宮崎駿は戦前の日本を実に美しく描いた。それは、青々とした水田であったり、日本家屋で統一された町並みであったり、レンガの橋梁や或いはまだ戦災で焼ける前の帝都東京の姿であった。 しかし、宮崎は本作の中で、戦前の日本の暗部をも見事に描き出している。美しい田園のすぐ傍らに存在する都市貧民や失業者。関東大震災での破壊と、金融恐慌の只中で不安に揺れ動く大衆達。「どうしてこの国はこんなに貧しいのだろう」という主人公の台詞の通り、「風立ちぬ」の中には、眩しく光る戦前の日本と、陰惨な闇の戦前が見事に同居している。 宮崎駿の一貫したテーマは、『風の谷のナウシカ』の時から普遍である。特に漫画版ナウシカがそうであるように、「人間や文明は美しくなければならない」という設計主義的な考えを全否
風立ちぬ 2013/日本/G 監督:宮崎駿 声の出演:庵野秀明/瀧本美織/他 原作:宮崎駿 原案:堀辰雄 『風立ちぬ』 主題歌:荒井由実 『ひこうき雲』 零式艦上戦闘機、いわゆる零戦(ゼロセン)の設計者である堀越二郎という人の伝記を元に、宮崎駿が自由闊達に時には虚実を交えるなどして連載しておった漫画のセルフ映画化。で、あるらしいのだけども、乃公、不明にして伝記も漫画も事前に読むという事をしておらず、かかる上はスクリーンの真ん前で詫びの割腹をして自裁をしようかと覚悟を決めたるものの、ジブリの映画だし、親子連れも多そうだし、つかサービスデイで観客自体が多い事が容易に想像せしめらるるので、割腹などした暁には館内の子供たちに如何程の精神的外傷、トラウマを与えてしまうか、という事に考え至り、脇差をことりと置いたのだが、「子供もいっぱい来ていたけど、すぐに飽きて館内を走りはじめた」だの「開始30分で
風立ちぬ [Blu-ray] ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社Amazon宮崎駿の新作「風立ちぬ」を新宿ピカデリーで観ました。以下ネタバレ感想。 二郎は美という呪いに囚われた、永遠の奴隷だ。それでも懲りない、懲りないのが凄い。 (★4) 死期が近づいた作家は子供に還ったかのように、自身の生涯を貫くテーマを正直にゴロリと吐き出すものらしい。たとえば教える者と教わる者、教育と学習を大きなテーマとしていた黒澤明は、遺作「まあだだよ」で身も蓋もない甘々の師弟の姿をぬけぬけと描いていた。宮崎駿の場合それは、職能至上主義と高純度のオタク人生にあたるようだ。「風立ちぬ」は堀越二郎と堀辰雄の物語であると鈴木敏夫は笛を吹いているが、その実態は宮崎駿の理想化された自伝である。そもそも紙の上で鉛筆を走らせてありもしないものをでっちあげるアニメ屋の仕事は、設計士のそれによく似ている。アニメーションという特殊
"The Wind is Running"2013/JP ここ数週間、映画を見に行けば、ほとんど強制的に『風立ちぬ』の予告編を見せられたわけだが、それでも4分間の映像には並々ならぬ力を感じずにいられなかった。矢も盾もたまらずひさしぶりに公開初日に早起きして映画館に向かったのだった。結論からいうと私は『風立ちぬ』という作品の魅力がいまいちわかりませんでした。わからなかったのだけど、今後2度、3度と見るうちに何かが印象が変わるかもしれないという気もしている。とりあえず今の感想を書き留めておきたい。 『風立ちぬ』はゼロ戦の設計で知られる堀越二郎の半生に堀辰雄の小説『風立ちぬ』の物語を交えたフィクションです。小説『風立ちぬ』じたいが堀辰雄の実体験を基にしているので、この映画は同時代を生きたふたりの男の人生を組み合わせた物語といえる。さらにそこには、反戦主義者でありながら戦闘機にどうしようもなく魅か
樋口真嗣、細田守、伊藤聡、東浩紀、岩崎夏海、岡田斗司夫、柳下毅一郎、さやわか、押井守、富野由悠季、宇野常寛、石岡良治、中川大地、泉信行、中条省平、小飼弾、村上隆、豊崎由美、佐々木敦、藤原帰一、竹熊健太郎、高橋源一郎、内田樹 『「風立ちぬ」を語る①』: http://youtu.be/_Xq8GiS-27U 『「風立ちぬ」を語る②』: http://youtu.be/UAAkauBUHSg 続きを読む
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